1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

密かに加速「旧ジャニーズ起用再開」の正しい見方 目黒蓮さん起用のFENDI、キャスティング再開のフジテレビ…

東洋経済オンライン / 2024年3月1日 16時0分

被害者補償も、新会社の立ち上げも過渡的な現段階においては、タレント起用の判断も各社、各局で異なるのは当然のことであるし、今後、SMILE-UP.社、STARTO社の事業が健全に行われるうえでも、むしろ好ましいことだとも言える。

タレント起用にあたって考えるべき3つのこと

現時点において、SMILE-UP.社所属タレントを起用するうえで考えるべき点は以下の3点だ。

1. ビジネス上のメリット(経済合理性)

2. 社会的責任

3. SMILE-UP.社、STARTO社、タレントへの影響

企業は収益を上げなければ成り立たないので、1を考えることは不可欠だ。現時点で、タレントを起用することはリスクもあるが、リターンも大きい。特に、タレントのファンは早期の起用を大歓迎して、タレントだけでなく、起用してくれた番組や企業、商品を応援してくれるだろう。

FENDIの目黒蓮さんのアンバサダー起用について、人権意識が高く、イメージを重視する外資系高級ブランドがこのような判断をしたことは、一見すると意外に思えるかもしれない。テレビCMのようなマス向けの施策ではないし、ファンの「推し消費」が見込めることを考えると、ビジネス的なメリットは大きいと言えるだろう。

経済合理性と並行して考えなければならないのが、2の社会的責任だ。これについては上述した通りで、誠実に被害者と向き合っているのか、被害者への補償と救済が進捗しているのかどうか、STARTO社が健全に立ち上がっているのかどうかを見極めたうえで判断する必要がある。

一点、補足しておきたい。旧ジャニーズ事務所は、昨年9月に「今後1年間、広告出演並びに番組出演等で頂く出演料は全てタレント本人に支払い、芸能プロダクションとしての報酬は頂きません」と宣言している。このことは、発表時は場当たり的な対応として批判を浴びたし(筆者は擁護したが)、現在では忘れ去られてしまっている。ただ、これは現在でも続いている。メディアやスポンサー企業が支払ったお金はSMILE-UP.社には残らず、全額タレントに支払われることになることは留意しておきたい。

3つ目であるが、SMILE-UP.社を退所して別の会社に移籍するタレントも出ており、彼らのテレビやCMへの出演も見られている。「退所すれば起用するが、残れば起用しない」と考えている企業もあるかもしれないが、その選択は果たして妥当なのか?という問題もある。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください