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「休み下手な日本人」には"休養学"が本気で必要だ 「休む=怠ける」という偏見をまず捨てるべきだ

東洋経済オンライン / 2024年3月2日 10時0分

しかし、そう主張する方々も、そんなスタイルでは休みがとれないことを無意識のうちに実感しているのではないだろうか?

日本の多くの会社は3月末が年度末で、4月から新しい年度がスタートしますが、私が住んでいたドイツでは12月末日で1年が終わり、1月1日から次の年度がスタートします。
新年のはじめにまず何をするか。実は、それぞれのメンバーがその年に長期休暇をいつとるかをみんなで話し合うのです。
「あなたはいつとる?」
「私はここでとる」
カレンダーに休みを書き込むことから1年の仕事が始まります。つまり先に休みを確保しておくわけです。そして、休みが来たら何をおいても休みます。(190〜191ページより)

一方、「仕事が落ち着いたら休もう」「区切りがいいところまでやってしまおう」というように、日本では“仕事に休みを合わせる”スタイルが一般的だ。

しかも現実問題として、上記のようなスタイルをオフィスに導入することは難しくもある。とはいえ従来のやり方では、疲れ切った状態で休暇に突入することにもなってしまうだろう。

それは無計画であり、長期的に考えれば非効率的だ。

したがって、(いきなりドイツ流に切り替えることは無理だとしても)「どうやったら各人がいまより効率的に休めるか」をみんなで話し合ってみるべきかもしれない。そこで思いを共有できれば、少しずつでも状況を改善していくことはできるに違いないのだから。

これから疲れそうだから、先に休んでおく

長期休暇をとることはなかなか難しく、しかも「長期休暇をとるなら、いつにするべきか?」ということがハードルになってしまうだろう。なにしろ、正解らしきものは存在しないのだから。

そのため結局は長く休めなくなってしまったりもするのだろうけれども、著者によれば長期休暇は繁忙期の前にとるとよいのだそうだ。

この先どんな活動をして疲労するかを予見して、それに必要なエネルギーである活力をためておくのです。
疲労したから休むのではなく、疲労しそうだから先に休んでおく、といってもいいでしょう。(192ページより)

だが、これは長期休暇に限ったことではなく、毎日・毎週のスケジュール管理にもあてはまる。

たとえば、「明日は家族と出かけるから、たぶん疲れるだろう。だからきょうは早く寝て、エネルギーを蓄えておこう」とか、「今週はデスクワークが中心でそれほど体力を消耗しないだろうから、エネルギーはそれほど必要なさそうだ」とか。

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