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「休み下手な日本人」には"休養学"が本気で必要だ 「休む=怠ける」という偏見をまず捨てるべきだ

東洋経済オンライン / 2024年3月2日 10時0分

考え方を変えれば、5分、3分、それこそ1分でもできる休養はたくさんあります。
椅子から立ち上がって深呼吸をして、ついでに思い切り伸びをしてみるとか、目が合った人にほほえんであいさつしてみるとか、ちょっと空いた時間に何かつくってみるのも、立派な休養です。(197ページより)

休養というと大げさに考えてしまいがちだが、いつもの習慣を少し変えてみるだけでも心が休まり、休養の効果が望めるということだ。

とりあえず、ランチタイムにパソコンを見ながら食べていたサンドウィッチを、公園で陽射しを浴びながら食べてみるのもいいかもしれない。

疲労感をレコーディングする

アスリートは毎日、日誌を書くことによって自身のコンディションを可視化しているという。なかでも重要なのは朝。起きたときの感覚を軸としながら、体調に合わせてその日のトレーニングメニューを組むわけである。

体調がその日ごとに違うのは当たり前なので、自分自身で、もしくはトレーナーが調整することが大きな意味を持つということだ。

しかし、それはアスリートに限った話ではない。

ビジネスパーソンの皆さんも、手帳の片隅に体調を表す記号や数字を書き込んでみる、スマホにメモをするなどしてみてください。ダイエットのためにその日食べたものを記録する「レコーディングダイエット」という方法がありますが、それと同じです。ぜひ、自分で自分の体の声をチェックして、記録してみてほしいと思います。(199ページより)

レコーディングを習慣化できると、自分の疲労に敏感になり、「会社を休むほどではないけれど、さっきからミスが多いな」とか、「きょうは体調がすぐれないから、早めに帰ったほうがいいな」などと気づけるようになるだろう。

疲労は気分も落ち込ませるが、システマティックにレコーディングすることができれば気持ちも楽になるに違いない。

疲労で休むのと仮病とは違う

休むことに罪悪感があるという方も多いだろうが、休むことと怠けることは根本的に違うと著者は断言している。

たしかに本書でも繰り返し強調されているとおり、疲労とは活動能力が低下している状態にほかならない。

健康なら出せるパフォーマンスが100%出せない状態が疲労であり、そのせいで休みたいのであれば、それを仮病とはいわないのである。

これまで私たちは多少なりとも、「疲れていても無理をするのが社会人としての責任」だと思ってきたのではないだろうか?

だが、これからの時代に求められるのは、疲労をこまめに完治してこまめに対策を打ち、「疲れていないベストな状態」で仕事をすること。それこそが、社会人としての責任なのだと著者は述べている。

それでも「休んではいけない」という思いから逃れられないのであれば、次のように考えてみればいいそうだ。

会社は100%のパフォーマンスが出ることを期待して自分と雇用契約している。70%とか50%のパフォーマンスしか出せないのに出社するということは、契約の不履行になりかねない。(209ページより)

だとすれば有給を消化してでもしっかり休みをとり、100%の力が出せる状態で会社に行くことこそが会社のためになるという考え方である。

なるほどそのとおりだし、そう考えれば休むことへの罪悪感を払拭することもできるだろう。

印南 敦史:作家、書評家

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