認知症女性「謎の行動」繰り返す涙ぐましい"真意" 帰宅願望や夜間徘徊を生む「過去の呪縛」とは?
東洋経済オンライン / 2024年3月2日 14時0分
国立社会保障・人口問題研究所のデータを元にしたニッセイ基礎研究所の推計によれば、令和7年には65歳以上における認知症の総数は1000万人を突破するといいます。人生100年時代を迎えた現在、誰にとっても身近な問題となった「認知症の介護」に向き合うためには、どんな心がまえが必要なのでしょうか。18年にわたり介護の第一線で働いてきたたっつん氏が、実際のエピソードをもとに、認知症患者の行動の背景にある「真意」について読み解きます。
※本稿はたっつん氏の新著『認知症の人、その本当の気持ち』から一部抜粋・再構成したものです。
「うちへ帰らな」と施設を出ようとするおばあちゃん
認知症の人の行動はさまざまです。
夕方になるたび、「うちへ帰らなあかん」と言いだして、ウロウロしはじめるパターンはそれほど珍しくないかもしれません。
あるおばあちゃんがそうでした。一人で施設から出て行こうとすることもあるので目が離せず、職員みんなが困っていました。
これだけ帰宅願望が強いのはどうしてなのか。まず理由を突き止めたかったので、おばあちゃんと一緒に施設を出てみることにしました。
「おうちまで送っていきますね」と言いながら、どこへ向かって歩いていくかはおばあちゃんに任せていました。となりに付き添いながら、なるべく穏やかに話しかけるようにしていましたが、「ついてこんでええ!」と怒鳴られます。
仕方なく、こけそうなときなどにすぐに手が届く範囲の距離を保ちながら歩いていました。
おばあちゃんは家に帰りたいのに道がわからなかったのか、まいごのように歩いていただけでした。
そんな中でもぼくが介添え役のように付き従っていたので、それなりに心強かったのかもしれません。少しずつ、ぼくが傍にいることに安心感を覚えているような表情を見せはじめてくれたのです。
そんな”散歩”を2時間も続けていると、さすがに疲れたようで、座り込んでしまいました。
施設に電話して、車で迎えにきてもらうことにしました。待っているあいだにはお茶を飲んでくれたし、車で帰ることも拒みませんでした。
翌日の夕方もやはり「うちへ帰る」が始まりました。
「では送っていきます」と、前日と同じように二人で施設を出ました。
アテのない散歩のようになったのは同じでしたが、このときは最初から前日ほどギスギスしないで済みました。おばあちゃんが意地を張ろうとしなかったからか、散歩時間も短縮されて、1時間30分で迎えの車を呼べました。
寄り添うことで変化しはじめたおばあちゃんの反応
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