日経平均がどこまで上がるかを真剣に考えてみた 天井知らずのエヌビディアの賞味期限はいつか
東洋経済オンライン / 2024年3月2日 8時30分
さらに経済規模を比較してみると、1989年の日本の名目GDPは3.1兆ドルで、当時の世界全体(20.2兆ドル)に占める比率は約15.5%もあった。それが2022年実績で見ると、世界のGDPがぴったり100兆ドルと5倍増になっているのに、日本はほとんど成長がなくてわずか4%のシェアに低下している。
日本経済がもたもたしている間に世界はすっかり先に行ってしまったという話は、年初の拙稿「2024年は自分の資産をもっと外貨に換えておこう」 (1月6日配信)で述べたとおりである。
問題は、足元のこの株価を信じていいのか、である。そもそも日本経済、このところあまりいいニュースがない。景気が悪いのに株価だけ上がるというのはおかしくはないか。
2月の月例経済報告では、内閣府は景気の基調判断を3カ月ぶりに下方修正している。個人消費は悪いし、設備投資も計画ほどには進んでいない。1月の鉱工業生産も前月比7.5%の低下となった(ほとんどは品質不正に伴うダイハツ工業の工場停止のせいだが)。
そして、2月15日に公表された2023年10~12月期GDP速報値は、実質では前期比マイナス0.1%成長となった。規模が小さいとはいえ、2四半期連続のマイナスということは「テクニカル・リセッション」である。
しかも内訳を見ると、外需が+0.2%で内需は▲0.3%である。さらに外需のプラスも、輸出の伸びよりは輸入の減少によってもたらされている。つまり、中身が悪いのである。
やっぱり「米国株高」と「円安」が牽引
では、なんで景気が悪いのに株価が高いのか。まずは、「日本企業は海外で稼いでいるので、国内景気が悪くても関係ないんです」という説明が考えられる。実際に時価総額で上位を占めるのは、トヨタ自動車、ソニーグループ、ソフトバンクグループなど海外比率の高い企業である。
次に「実質GDPは伸びなくても、名目GDPが伸びている」という見方もできるだろう。昨年10~12月期の名目GDPは年率換算で596.4兆円と、ほぼ600兆円に達している。物価上昇で個人消費は苦しんでいるけれども、商品価格を上げられるようになったお陰で企業決算は好調である、というわけだ。
ただし、上記のような苦しい言いわけを考えるよりは、単純に「日本株は米国株に連動しているだけです」と言ってしまうほうが楽であるし、真実にも近そうだ。何しろ米国株は史上最高値圏。日経平均が最高値となった2月22日も、早朝にエヌビディアの好決算が公表されたことが上昇の引き金となったのではなかったか。
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