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日経平均がどこまで上がるかを真剣に考えてみた 天井知らずのエヌビディアの賞味期限はいつか

東洋経済オンライン / 2024年3月2日 8時30分

加えて円安の追い風もある。年初の時点では、「アメリカでは3月にも利下げが始まる」というのが市場コンセンサスだったが、あまりに同国の物価や雇用のデータが強いから、利下げ観測の時期はどんどん後ずれしている。

逆に日本側では、「3月か4月にはマイナス金利が解除されるだろう」という認識が強まる一方で、日本銀行が「その後も『どんどん利上げ』は考えにくい」と盛んにメッセージを流しているので、年内は緩和的な環境が続きそうである。

つまり、足元の日経平均の上昇は「米国株高」と「円安」に牽引されたものと考えていいだろう。面白いことに、TOPIX(東証株価指数)の最高値は1989年12月18日の2884.80ポイントであったが、こちらはあと175ポイントほど割安となっている。

何となれば、日経平均はハイテク関連の値ガサ株の影響を受けやすく、それが円安も相まって追い風を受けている。逆に、TOPIXは時価総額が大きい銀行、電力、不動産など内需関連株の影響が大きい。こちらは円安では買われにくいので、日銀の金融政策転換待ち、ということになる。

こんなふうに整理してみると、このあとの株式市場は「日経平均が下げてTOPIXが上がる」という調整が行われるように思えてくる。日銀の金融政策正常化は間もなく始まるはずだ。逆に、アメリカの利下げも年内のどこかで始まるだろう。となれば、足元の円安はいずれ修正される。日経平均よりもTOPIX狙いに妙味がある、ということになるのではないか。

今の「AIブーム」は本物なのか

以下はまったくの個人的偏見なのだけれども、筆者は今のアメリカのAI(人工知能)ブームがどうにも腑に落ちない。そもそもエヌビディアという1社の決算があれだけ相場に影響力を持つこと自体が、どこか不健全なのではないか。オバゼキ先生は前出の記事で「バブルのお代わりは3度まで」 という名文句を残したが、確かにちょっと虫が良すぎる気がする。

なにより筆者は、話題のチャットGPTの収益モデルが今も不透明なまま、という点に納得がいかないでいる。とりあえずハード面の開発は必要だから、それこそエヌビディアのような半導体関連の株価が天井知れずになっている。

しかるにそれは、「ゴールドラッシュの際に、ピッケルとシャベルを売っている業者は確実に儲かる」のと同じ理屈であって、肝心の金鉱が見つかるという保証はどこにもないのである.

先日、こんな話をしていたら、某外資系金融マンに見事に論破されてしまった。「だからいいんじゃないですか。チャットGPTの収益モデルがわかったら、利益が計算できるようになるから夢がなくなる。金鉱が見つかるかどうかわからないから、期待が生じて相場が上がるんですよ」。

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