1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

SNS多用する人に伝えたい、相手を傷つけない技術 文字によるコミュニケーションが難しい理由

東洋経済オンライン / 2024年3月3日 10時30分

あなたの感じている不協和が、他の人の意見を訂正したくなるような気分を誘発する。自分は親切にも、相手の間違った推論を修正してあげている、と思ったりもする。

しかしながら、そうやって始まった議論は、人間関係を傷つけ、相手をさらに殻にこもらせてしまうことになってしまう公算のほうがずっと高い。

公開の場での会話では、人は「プライド」を賭けている

第2の点は、ソーシャルメディア上の会話の多くは、デジタルな公共空間で行われるということだ。そういう場には障壁や複雑な事柄が高く積み上がっているものだ。

うまくいっていると思った会話でも、挑発的だったり喧嘩腰の第三者が1人でも加わってしまうと、とたんに台無しになってしまう。そんな人物が20人ほど、束になってやってくることだってある。

もっと重要なこととして、公開の場での会話に臨むときには、人は自分のプライドを賭けているということだ。その結果として、公開の場での議論では、プライベートのときと比べて、人はもともとの立場に、より固執する傾向がみられる。

少し想像してみてほしいのだが、あなたがいいところを見せたいと思っている観衆の前に立っているとき、プライベートで1対1で議論しているときと比較して、どれくらい猛烈に自分の立場を守ろうとするだろうか。

途中で考えを変えたり議論に「負ける」ことは屈辱的だと捉えられるため、ソーシャルメディア上の議論が多くの場合、悪い方向に捻れてしまうのも、まったく驚くことではないことが分かるだろう。

公開での会話とプライベートでの会話は違う

逆に、ソーシャルメディア上で会話をもつことの利点は、主に2つある。そしてそのどちらも、公開のソーシャルメディアで行うことを必要としない。

2つの利点は要するに、デジタル・テキストを通じたやりとりは、色々な弱点はあるものの、時間や空間の制約がない、ということでまとめられる。

インターネット接続さえあれば、リアルタイム通話が低コストかつ地球上のほとんどすべての場所にいる人とあっという間にできてしまう。

それに、答える前に少し考える時間を取ったり、落ち着く時間がほしいと思うような質問をパートナーが投げてきたら、必要なだけ時間をとることができる。

この性質のおかげで、対面だとしばしば会話を脱線させかねない、感情的なリアクションを抑えることができる。

こういう点は確かに、紛うことなき利点だと言える。

しかし再度強調しておくと、公開での会話とプライベートでの会話は違うということを忘れてはならないし、揉めそうな話題に触れ始める前には、プライベートに切り替えるようにすることだ。

ピーター・ボゴジアン:哲学者

ジェームズ・リンゼイ:文筆家、批評家

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください