汚部屋育ちの40代が苦手な「掃除」と和解するまで 植え付けられた苦手意識はあえて「克服しない」
東洋経済オンライン / 2024年3月3日 11時50分
ロスジェネ世代で職歴ほぼなし。29歳で交通事故にあい、晩婚した夫はスキルス性胃がん(ステージ4)で闘病中。でも、私の人生はこんなにも楽しい。なぜなら、小さく暮らすコツを知っているから。
先が見えない時代でも、毎日を機嫌よく、好きなものにだけ囲まれたコンパクトライフを送る筆者の徒然日記。大好評の連載第10回です。
東京都港区にある、タワーマンションの谷間にひっそりと佇む、築50年超えのとあるマンションにミドルシニア夫婦2人で老猫と預かり犬と住んでいます。
30m²に満たない狭い空間は、他人から見たら狭いし古いしデメリットが目立つかもしれません。しかし「住めば都」とはよくいったもの。実際に暮らしてみるとデメリットを補って余りあるメリットを感じているのです。
小さな家の大きなメリットのひとつに「掃除がラク」というのがあります。実は私は汚部屋育ちで、掃除に苦手意識があるし、そもそも好きではない。そんな私にとって、掃除の手間がかからない小さな家はありがたいかぎりです。
【画像】汚部屋育ちの筆者…「アラフィフの現在、住む部屋」を画像で見る(8枚)
汚部屋育ち、掃除機をかけない家で育った私なりの掃除術
筆者の母は、掃除が嫌いで洗顔も歯磨きも嫌い。歯磨きをしないから歯はほとんどなく、メガネは油汚れでギラつき、いつでもどすっぴん。髪もとかさずボサボサ頭の絵に描いたような不潔な身なりをした人で、近所の人に陰で「インディアン」とか「赤軍派」とかニックネームをつけられていました。
とはいえ、物知りで面倒見もよく、人懐っこい性格であったため、お友達も多く「社会不適合者」というよりは「変わり者だけど人気者」というポジションを得た、愛されキャラではあったのですが。
そんな母には掃除機をかける習慣がありませんでした。居間にはカーペットが敷かれていましたが、いつでも砂場のようにざらつき、部屋の隅には髪の毛がからまったものがあちこちに常駐している状態がデフォルト。
ご存知ですか? 掃除していない家はほこりや砂よりも、髪の毛が家を覆い尽くしていきます。ちなみに我が家では、髪の毛が足の指にひっかかり、足をくじくぐらいになると、新しいカーペットを買って、今までのカーペットの上に重ねて敷いてリセットするという、臭いものに蓋をする方式が採用されていました。
小学5年で初めて自分の家がほかと違うことに気づく
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