日経平均株価はいったん小休止するかもしれない 大相場は継続でも、3月相場には注意が必要だ
東洋経済オンライン / 2024年3月4日 9時30分
2024年2月22日、日経平均株価がついに史上最高値だった1989年12月29日の3万8915円を抜いた。平成バブル崩壊以降どんどんと深まっていったデフレ経済の中でこの価格を再び抜く日が来るとは、いったい誰が考えただろうか。
今は「皆が経験したことのない相場」
もちろん証券界はお祭り騒ぎだったが、われわれマーケットアナリストたちは冷静にこれからの相場を解説しなければならず、おのおの1989年のバブル時代と現在の比較をコメントしている。
筆者も、つい先日某テレビ番組で1989年と2024年を比べて話した。思いついたものだけを簡単に述べると、まず「日本の人口」(前者は増加中、後者は減少中)や「地価」(全国的上昇と首都圏・大都市圏など限定で上昇)がすぐに挙がる。
また「バリュエーション(企業価値評価)」はどうか。PER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)で見ると、PER60倍・PBR5.6倍とPER16倍・PBR1.5倍だ。「買い主体」も外国人の売買シェアは11%と70%で大きく異なる。
さらに「年間のドル円為替レート」は1ドル=138円と同140円。また「日本銀行の金融政策」は引き締めと緩和だ。「世界情勢」についてはベルリンの壁崩壊とアメリカ対中ロ連合となる(いずれも前者が1989年、後者が現在)。
このように、1989年と現在の共通点はないに等しい。つまり、日経平均は史上最高値となり、先物はひと足早く4万円に乗せているが、今の相場は今までとはまったく違う要因で形成され、皆が経験したことのない相場だということだ。
上記の比較で若干補足すると、「買い主体」の中で個人投資家は前者(1989年)も後者(現在)も売り越している。1989年の買い方であった投資信託を「個人」とカウントしても、やはり差し引きでは売り越しになる。今回の新NISA(少額投資非課税制度)の開始で買い越しになるかどうかといったところだ。
また「年間のドル円為替レート」は、現在の株高要因の1つになっている1ドル=150円は直近のことで、ついこの前までは1ドル=140円±5円であったことを考えると、唯一、ほぼ同水準だといえる。ただし、共通していて一見面白い事例のように映るが、前者は220円からの円高、後者は120円からの円安過程で通過した138円であったにすぎず、やはりこれもまったく違う要因といえる。
ベルリンの壁崩壊と平成バブル崩壊の関係は?
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