ランボルギーニ成功裏にある「戦略のプレゼン」 繰り返し訴える明確なブランドメッセージ
東洋経済オンライン / 2024年3月5日 12時0分
しかし、イタリア・サンタアガタの“中小企業”が、フェラーリに肉薄する販売レベルを達成したことは大健闘である。この結果を出せたのが、明確な事業戦略をぶれることなく追求し続けたためであることは間違いない。本稿では、その勝因を分析してみた。
明確なラインナップとサプライチェーンの活用
前述したように、ランボルギーニの商品群には現在、3つのカテゴリーが存在する。ウラカン(2023年で販売終了。本年に後継モデル発表が予測される)は、ウルス誕生までエントリーモデルの役割をもつモデルであった。
小規模なランボルギーニのアッセンブリーラインでも十分な台数が生産できたのは、フォルクスワーゲングループ内でのコンポーネンツの効率的な活用のおかげだ。グループ内にあるポルシェ、ブガッティ、アウディなどのサプライヤー網をうまく用いている。
エンジンがドイツからほぼ完成形で送られてくるのはもちろん、ボディまでペイント(例外もあるが)されて、サンタアガタの工場へ送り込まれる。そのおかげで、スケールメリットを利用して原価率を下げ、開発リスクを軽減することもできた。
現在、販売のメインであるウルスは、この方式をさらに進めている。ウルスのための特別なアッセンブリー棟も設けられ、グループ内コンポーネンツを活用し、ごく短期間でSUVの量産体制を作りあげた。
そして、フラッグシップであるアヴェンタドールは昨年、後継の「レヴェルト」へとモデルチェンジされたが、こちらはランボルギーニのDNAを強くアピールする“Made in Santa Agata”を具現化している。
エンジンはゼロから熟練工が手作業で組み立て、ファクトリー内の複合素材製造棟にてCFRP(カーボン)製シャーシとボディが作られる。すべて内製なのだ。そして、希少性維持のため、生産台数をいたずらに拡大することもない。
つまり、フラッグシップモデルでランボルギーニの技術と歴史の正統性をうたい、2つの量産モデルでしっかりと利益を確保するという戦略である。
ここでひとつ、疑問を生ずる。昨年の1万112台のうち、6000台以上をSUVのウルスが占めている。それによって「通好みのスポーツカーメーカー」というブランド価値が変質してしまうことはないのだろうか、と――。
4つ目のカテゴリーも加えてボリュームアップを目指す
おりしも先日、ランボルギーニCEOであるステファン・ヴィンケルマンとのインタビューがかなったので、その点を聞いた。
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