ランボルギーニ成功裏にある「戦略のプレゼン」 繰り返し訴える明確なブランドメッセージ
東洋経済オンライン / 2024年3月5日 12時0分
「大事なのは『つねに需要よりも供給が下回る』ということです。これがブランドの価値を維持するポイントだと思います。私たちはランボルギーニの潜在的なオーナーが、各国にどのくらい存在するかを絶えずリサーチしています。昨年の全世界の自動車登録台数は7500万台でした。そのこと考えれば、私たちの数字はまだ微々たるもので、大いに伸びしろがあると考えます。ですから、ウルスで新しいマーケットに参入したことは、大きなチャンスをつかんだと同義なのです」とヴィンケルマンは語った。
全体のバランスから考えれば、まだまだウルスも伸び代があり、現在の3カテゴリー体制はバランスよく稼働するという予測が、彼の意見であった。
さらに、昨年夏に発表されたBEVのコンセプトモデル「ランザドール」も、近い将来には4つ目のカテゴリーとなり、さらなる企業としてのボリュームアップを目指すことになるであろう。
現状の3カテゴリーがお互いを食い合うことがない、つまり差別化できた商品群を作りあげたランボルギーニの戦略はうまく稼働しているようだ。
もう一点、筆者が「うまいな」と思うのは、CEOであるヴィンケルマンをスポークスマンとして、具体的な方針をわかりやすく伝えるプレゼンテーション力だ。
多くのブランドを持つフォルクスワーゲングループ内で企画を通し、投資を求めるプレゼンテーションの難しさは「顧客にクルマを売る以上だよ」と、かつて某エグゼクティブが筆者に語ってくれたことがあるが、そこでブラッシュアップされたステートメントはシンプルでわかりやすい。
ランボルギーニはCO2削減のロードマップとして、2021年に「コル・タウリ戦略」を発表している。これはモデルの電動化と生産拠点の脱炭素化という両面からの取り組みから追求するものであり、先日2023年までの計画が順調に進んでいることを発表した。
インタビュー時にヴィンケルマンはこう語っている。
「2030年までにCO2の排出量を40%削減するという目標を再設定しました。これはクルマそのものの排出だけではなく、いわば“ゆりかごから墓場まで”、つまりサプライチェーンやディーラーを含めた、生産から廃棄の工程すべてを含むものです。もちろん、ロジスティクス関係も含めています」
サンタアガタの工場内部はもちろん、周辺の環境や世界各地のショールームまで、相対的にCO2削減に取り組んでいるという意思表示はぬかりない。加えて内燃機関スポーツカーを延命させたいという想いも忌憚なく発信している。
スポーツカーメーカーの現実解
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