1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

「なぜか相手に話が伝わらない人」の悪いクセ あいまいな表現を排除すればグッと伝わる

東洋経済オンライン / 2024年3月6日 14時0分

私の住んでいる三重県には大規模な風力発電所があります。この発電所の出力を伝えるときに「9万5千キロワットです」と数字で示されても、比較対象となる目安がないと、どれほどの規模なのかイメージしにくいですよね。そこで、発電所のパンフレットには「一般家庭約5万5千世帯の電力をまかなえる」と記載されています。「一般家庭」を目安にすることで、規模の大きさが伝わりやすくなっています。

この「目安」となる数字についても、先ほど述べた通り、インターネットなどを使って、公共の機関や企業が出している情報をまとめておくと便利です。算出根拠もあわせて示しておきましょう。

以下に「数字のたとえに使える主な事例」を載せました。参考にしてください。

複雑なことは分解してから、似たようなものに置き換える

難しい専門用語を、ズバリとひと言でわかりやすい言葉にたとえることができないときもあります。そんなときには、専門用語の示す内容を分解して、それぞれを似たようなものに置き換えると、わかりやすくなります。

例えば、ソフトコンタクトレンズを例にして考えてみましょう。

ソフトコンタクトレンズを選ぶときの指標の1つに、「酸素透過率」があります。一般的に、「酸素透過率」の高いものを選ぶのがいいと言われています。でも、初めてコンタクトレンズを購入する人にとって、「酸素透過率」は耳慣れない言葉です。なぜ「酸素透過率」が高いほうがいいのか、その理由も想像できないでしょう。

そんなときに、「こちらのコンタクトレンズは酸素透過率が○○で……」などと説明しても、スペックのアピールになるだけで、お客様には理解できません。そこで、コンタクトレンズの販売に携わっていた私の知人は、こんな風に伝え方を工夫していたそうです。

「瞳も呼吸をしています。コンタクトレンズをつけることは、その呼吸している瞳にマスクをするような感じです。それって、息苦しいですよね。でも、酸素をたくさん通すことのできるコンタクトレンズなら、呼吸しやすくなります」

マスクをしたら多少なりとも息苦しさを感じることは、ほとんどの人が知っています。だから、こんな風に説明してもらえたら、イメージしやすいのではないでしょうか。

「酸素透過率」という言葉の背景には、「角膜(黒目の部分を覆っている膜)は酸素を使って新陳代謝をしている」という要素と、「ソフトコンタクトレンズは角膜を覆う」という要素があります。「角膜は酸素を使って新陳代謝をしている」を「呼吸」に置き換え、「ソフトコンタクトレンズは角膜を覆う」を「マスクをする」に置き換えたことで、「酸素透過率」という専門用語がわかりやすい表現になったのです。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください