1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

投資からお勉強まで中国人トップが日本に熱視線 中国語で取得できるMBAのため留学した社長も

東洋経済オンライン / 2024年3月7日 7時20分

その他にも学生たちの需要は様々だが、なぜ日本の大学が中国語でMBAを開講するのか。背景に、国内の少子化に直面する日本の大学の生き残り戦略があるのは容易に想像できる。

しかし、それだけではない。昨今中国では経済成長が鈍化するなか、生き残り策を探るビジネスパーソンの間で「日本に学びたい」というニーズが高まっているのだ。

中国の経営者が日本でスタディツアー

コロナ以前から中国では「游学(ヨウシュエ)」(先進国を訪れて各所を視察しながら研修するスタディツアー)は流行っていた。最近では中国の経営者が投資先を探すことを視野に入れ、MBA同窓生などのグループで来日するケースも目立つ。

首都圏在住で日本への「游学」を10年ほど前から定期的に企画・実施している、在日歴の長い中国人男性が話す。「日本への游学を実施している団体は20くらいあります。北京大学や清華大学、復旦大学のMBAやビジネススクールの長江商学院などがオフィシャルに、または卒業生のネットワークでやっているものもあるし、民間の団体が主催するものもあります」。

その中心になるのは30〜40歳くらいの大都市の企業家だ。野村證券、セブン&アイ・ホールディングス、ユニクロを運営するファーストリテイリング、TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ、三菱商事、東レ、日産自動車、トヨタ自動車などが人気の訪問先なのだという。

彼らの目的は、「少しだけ学ぶほか、一緒に行く経営者と酒を酌み交わし交流を深めること」(同前)らしい。

最盛期は新型コロナウイルス流行前の2018〜2019年ごろだった。年間で数百組の「游学」が実施されたと振り返る。最近は「ポストコロナ」がテーマとなることが多く、毎年100組くらいのペースに回復してきたと言う。

この男性が企画する「游学」は、宿泊費を含めた費用は1.5万〜2万元(約30万〜40万円)だが、4万〜5万元(約80万〜100万円)で参加者を募っているケースもあるそうだ。

中国の日本経済への関心は高まる一方だ。2023年の前半には中国経済の日本化(ジャパナイゼーション)が話題になったが、後半にかけて中国が日本のバブル崩壊後の轍を踏んでいるという認識が広がり、さらに年末からは日本株への投資に関心が移ってきた。

1月17日には、上海証券取引所に上場する日本株上場投資信託(ETF)に中国の投資家が殺到し、取引が一時停止された。また1月末時点で東京証券取引所の時価総額が、上海市場を3年半ぶりに上回るなど、「中国下げ、日本上げ」のトレンドが鮮明になっている。

日本経済の復活を固く信じる人たち

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください