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「チェルシー終売」嘆き悲しむ人が多い本当の理由 突然の別れ、「メルカリで高額転売!」は悲しい

東洋経済オンライン / 2024年3月7日 18時30分

ここ10年を振り返っても、ポポロンやカルミン(2015年)、サイコロキャラメル(2016年、後に北海道限定商品として復活)、ひもQ(2019年)、もぎもぎフルーツグミ(2023年)といった知名度の高い商品が、生産・販売終了となった。

また、XYLISH(キシリッシュ)ブランドがガムからグミへ移行したり、カールが西日本限定商品になったりなど、ブランドそのものは継続するものの、大きく方向転換するケースも相次いでいる。

ちなみにカールの販売エリア変更時も、今回のチェルシー同様に、市場環境や顧客ニーズの変化による販売低迷が理由として挙げられていた。

公式サイトのQ&Aでは、「完全に販売を終了せざるを得ない状況」だったものの、「長年ご愛顧いただいた商品であるため、ブランドを残す方向で検討」した結果、グループ企業の四国明治株式会社で生産し、関西以西で販売すれば「何とか収益性が確保できる」と判断したと、かなり赤裸々に説明されている。

こうした終売の歴史でもわかるように、明治は「思い出補正」にとらわれず、比較的シビアに経営判断を行っている印象を受ける。

しかし、消費者の視点に立ってみると、ノスタルジーのような「エモさ」は、ときにスパイスとなり、購買の原動力となり得るのも事実だ。

消費者の思いが、商品の味になる。その一例として、同じく明治の「きのこたけのこ戦争」が挙げられるだろう。姉妹商品である「きのこの山」「たけのこの里」をめぐって、どっちが好みかと争う人気投票。

もともとは消費者が勝手に論争していたのだが、企業側も「総選挙」としてライバル構図を明確にさせることで、さらなる購買意欲がかき立てられた。

しかし、感情ベースの関係性は、好調時には売り上げをアシストする一方、終売や「改悪」のような際には、落胆を招くマイナス要因となってしまう。

エモさに乗っかるメーカーも、いいときだけファン心理を利用しているのであれば、本当の意味で消費者に向き合っているとは言いがたい。たとえ悲しい結末であっても、少しでも衝撃を和らげ、軟着陸できるよう、消費者を導くほうが望ましいだろう。

その点で言えば、チェルシーの「お別れ」は唐突感を残し、だからこそショックが広がっているのではないか……そんなふうに、筆者には感じられた。

「突然の幕引き」はショックが大きい

嘆き悲しむ消費者は、商品がなくなることそのものより、むしろ「突然の幕引き」となったことにショックを受けているのではないか。心の準備期間が十分に設けられていれば、またその印象は異なったように思える。

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