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店は全壊でも被災地支援、シェフたちの「真意」 能登半島地震、シェフ仲間の「横のつながり」

東洋経済オンライン / 2024年3月8日 11時30分

そのあと1月4日に輪島に来てバックアップしてくれたのがワールド・セントラル・キッチン、アメリカに本部があるボランティア団体です」(池端さん)

ワールド・セントラル・キッチン(World Central Kitchen; 略称: WCK)は、2010年に料理人ホセ・アンドレス氏によって設立された、アメリカに本部がある非営利非政府組織だ。

これまで2010年ハイチ地震をはじめ、世界各地の災害地にスタッフを派遣してきた。彼らは災害地の料理人にコンタクトを取り、料理人が必要な食材や調理器具などを地元から調達することで、災害地を支えてきた。

今回の能登地震で、WCKのスタッフが輪島の被災地をサポートするためにコンタクトを取った相手が、池端さんだった。

「僕らが例えば、1日1500人分で鶏肉30キロ欲しい、キャベツ、ニンジンこれだけ欲しいと言ったら、翌日の朝にはトラックに積んで来てくれました。

すごいなと思ったのは、彼らが、自分たちが主導するのではなく、僕らをサポートするという立場に徹していたことですね。僕らが炊き出ししようという気持ちを尊重してくれるサポートでした」(池端さん)

食材管理や衛生環境整備の難しさ

料理人であるとはいえ、彼らも災害復興のプロではない。

さまざまなものがバラバラに届くその食材の確認、保管、管理には大きな労力を必要とする。それを専門に行う人がいないことが、日々の炊き出しそのものよりも苦労した点だったという。

「ノロウイルスが出た避難所があったという話を聞いて、それがここであったらまずいと思ったんですよね。

僕は途中から、衛生環境の整備とか、食事する環境作りとか人の配置とかの仕事のほうをずっとやっていました。衛生面に気をつけることに関しては、僕が料理人だからできたというアドバンテージはあったと思います」(平田さん)

石川県の被害に寄り添おうとする飲食店関係者たちの取り組みも多く生まれている。

福井県では、老舗の有名飲食店のシェフたちが支援団体「ツナグフクイ」を結成、1月28日には石川県七尾市の避難所で炊き出しを行い、福井の県産食材へしこを用いたおにぎりなどがふるまわれた。

また富山県でも、飲食店経営者が寄付を募り、そのお礼の品として自慢の料理を詰めた料理ボックスを「フッコウメシ」と名付けて1個5000円で販売、その売り上げを石川県の飲食店に寄付することを予定している。

「フッコウメシ」は利賀村にあるレストラン「レヴォ」の谷口英司さんら9軒の富山県内の飲食店が中心となって行う支援活動のひとつとして、今後も毎月1日に富山県内で同様の販売を行う予定だ。

石川県と東北の人々のきずな

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