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トヨタ出身者が起業「Lean Mobility」の正体 i-ROADを手掛けた人物による超小型EVメーカー

東洋経済オンライン / 2024年3月8日 11時55分

写真を見て、かつて谷中氏がトヨタで開発に携わったi-ROADに似ていると思った人もいるだろう。そのとおり、同氏はi-ROADについての権利関係をトヨタから引き継いで、会社を立ち上げたのである。

このエピソードを当人から聞いて、筆者は迷うことなく取材を申し込んだ。

トヨタがi-ROADの市場化を見据えて、東京都内在住者に1カ月間使ってもらうという「オープンロードプロジェクト」に混ぜてもらい、この個性的な超小型モビリティと過ごした経験を持っているからだ。

当日は、コンセプトカーの開発などで有名なフィアロコーポレーションの東海クリエイティブセンター内にある同社の国内拠点で、量産開発の実車に触れる機会に恵まれた。

ボディサイズは乗用車の1/3

Lean3は、2輪車の機動性や官能性と、4輪車の快適性や安心感を両立することを目標としており、乗用車の1/3のボディサイズで2人乗りを目指して作られている。

ボディサイズは全長2470mm×全幅970mm×全高1570mmで、ホイールベースは1800mm。全長×全幅で求められる路上占有面積は約2.4m2で、たしかにトヨタで言えば「ヤリスクロス」の1/3以下になる。

ちなみにこのサイズは、ヨーロッパや台湾のL5というカテゴリーに適合するものだ。日本には、残念ながら同様のカテゴリーがないので、ミニカー(原付3輪)登録になる。よって、乗車定員は海外では2名だが日本では1名になる。

i-ROADのボディサイズと比較すると、125mm長く、100mm幅広く、115mm背が高い。

これには理由がある。独創的な後輪操舵から一般的な前輪操舵に転換するとともに、狭いと言われていた後席を広くしたためだ。

後輪操舵のi-ROADは、コーナーを曲がるたび、リアがドリフトするように外に張り出しながら曲がっていく。筆者はこの感覚は新鮮だと思っていたが、壁に寄せて止めた場合、出発時にリアが外に張り出すので、壁に当てる心配があった。

たしかに、後輪操舵のおかげで、i-ROADの最小回転半径はわずか3mだったが、他の自動車や2輪車との操縦感覚の違いに、戸惑う人もいただろう。谷中氏もその点を考えて、前輪操舵にしたそうだ。その結果、最小回転半径は3.6mになった。

バッテリー容量が拡大したことも特徴で、満充電での航続距離はWLTCモードで100kmと、30km/h定速走行で50kmだったi-ROADから大幅に伸びた。充電時間はAC100Vで約7時間、AC200Vで約5時間とのことだ(Lean3のデータは開発中のため暫定値)。

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