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命の危機でも「人工中絶拒否」米国の痛ましい現実 共和党支持者中心に人工中絶反対の流れが加速

東洋経済オンライン / 2024年3月8日 13時0分

批評家の評判はよかったんですけど、残念ながら劇場ではそれほどヒットはしなかった。ただ現在、アメリカでは配信などで観られるようになっていて。それに対するリアクションもいいものが入り始めてはいるのですが。

それでも、やはり役者の皆さんはオスカーのことをつねに考えているでしょうし、気になるところなんだろうと思います。とにかくこの映画に出ている俳優陣も、それぞれのキャリアの中で違う色を見せてくれるような、本当にすばらしいパフォーマンスを見せてくれた。そしてスタッフも本当にすばらしい結果を残してくれた。だから残念だなという思いはありますけど。夫をヒーローとして描いたなら事情は違っていたかもしれないですね(笑)。

でもこれは女性たちがどのように力を合わせていたか、という物語であり、ある意味男性のヒーロー不在の物語だとも言えるわけです。だからオスカーに引っかからなかったというのも、なんら別に驚くべきことではないですね。

――この作品には多くの女性スタッフが参加しているようでしたが。クレジットを見ても、監督、プロデューサー、カメラマンなど主要なスタッフもそうですし、出演者も女性が中心となっています。となるとやはり現場でも、この物語は語るべき物語である、というような皆さんの共通認識だったり、意識はあったのでしょうか?

その通りだと思います。今回はロビー・ブレナーがメインプロデューサーを務めたわけですが、その脚本を彼女が読んだときに、これはぜひ映画化しなければならないということで、一生懸命資金を集めようとしたところからはじまったわけです。

ただし先ほども言いましたが、資金集めはけっこう難航していて。実は彼女が次に手掛けた作品が『バービー』だったから、今なら資金集めにも何ら困らないでしょうけどね(笑)。

なるべくスタッフも女性を起用

でも彼女からこの作品の監督をやらないか、と声をかけてもらったときにわたしはこう言ったんです。「今は女性の登用が大事だっていろいろ言われているけれども、そんなの大概リップサービスで終わってしまっている。そんな今の映画界の現状をわたしは非常に憂いているので、もしもわたしたちがこの作品をつくるならば、まずは有言実行でいきましょうよ」とね。

いわゆる技術スタッフ、それぞれのメインスタッフに適任の人材がいるならば、そこにはなるべく女性を起用しようと思いました。ですから通常の作品よりは女性が多めな作品となりました。それと出資だけという形で協力してくださった方もたくさんいたんですが、そういう方も女性が多かったです。そういった形をつくることができて、本当にわれながら誇りに思っています。

――とはいえ男性のスタッフ。キャストもいらっしゃったんですよね?

もちろん現場には男性もいましたけれども、俳優陣をはじめ本当にラブリーな人が多くてよかった。嫌なヤツに注ぐエネルギーなんてわたしには残っていないんでね(笑)。

ただ映画制作には男性が率いるチームもあれば、女性が率いるチームもあるわけですけども、やはり女性が率いるチームのほうがより秩序が保たれているというか。男性が多い現場だとちょっとした下ネタなんかも飛び交ったりするわけじゃないですか。でも今回はそういうことはなかったので良かったなと思いますね。

壬生 智裕:映画ライター

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