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もうすぐ発表「アカデミー作品賞」候補を一挙解説 『オッペンハイマー』など、注目作がそろう

東洋経済オンライン / 2024年3月9日 13時30分

さらに今年は作品賞10本のうち、『落下の解剖学』(ジュスティーヌ・トリエ監督)、『バービー』(グレタ・ガーウィグ監督)、『パスト ライブス/再会』(セリーヌ・ソン監督)の3本が女性監督ということも話題となっているが、大ヒットを記録した『バービー』のグレタ・ガーウィグ監督が監督賞の、主演のマーゴット・ロビーが主演女優賞のノミネートを逃したことは大きな話題となった。

一方で、夫の転落事故死をきっかけに、夫婦の闇が裁判で明らかになるさまをスリリングに描き出したフランス映画『落下の解剖学』も忘れがたい1本だ。

同作はカンヌ映画祭で最高賞にあたるパルム・ドールを獲得。まるで観客が裁判の傍聴人にでもなったかのように目が離せない裁判のゆくえを、息をつかせぬ展開で描ききった脚本の力量は高く評価されており、脚本賞の有力候補となっている。

そして昨年のカンヌ映画祭では『落下の解剖学』に次ぐ、グランプリを獲得した『関心領域』も世界中の賞レースで存在感を見せている作品だ。

『落下の解剖学』『関心領域』ともに主演はドイツを代表する名女優のザンドラ・ヒュラー。アウシュビッツ収容所の所長とその家族が緑生い茂る広い庭で平和に暮らすさまを淡々と描きながらも、いつしか観客は、“彼らが関心を示さないあること”がどんどんと気になり、想像力をかき立てられてしまう、恐るべき1本だ。

かつては白人男性が多くを占めていたアカデミー会員だが、2020年あたりを境に会員の多様性、平等性を掲げる方向に方針転換。アカデミー会員の中にも、女性や非白人の映画人が増加している。近年、韓国作品を中心としたアジア系の作品も評価されるようになっているのも、そうした流れがあるからだ。

韓国勢の勢いもまだまだ衰えず

そして今年は『ミッドサマー』や『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』といった話題作を次々と発表する気鋭の映画スタジオA24と、『パラサイト 半地下の家族』などで知られる韓国の大手映画会社CJ ENMがタッグを組んだ秀逸なドラマ『パスト ライブス/再会』がノミネートされているということも、韓国勢の勢いがいまだ衰えていないことを感じさせる。

同作は、互いに恋心を抱きながらも離ればなれになってしまった幼なじみのノラとヘソンが、24年の時を経てニューヨークで再会。互いに意識はしているものの、お互いに積み上げたものが大きすぎて一歩を踏み出せずにいたが……という物語。

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