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「大谷翔平も使う計測機」を扱う開発者たちの正体 ミズノが実現した「野球データの民主化」

東洋経済オンライン / 2024年3月10日 7時40分

中田氏が担当した製品の1つが、「ブラスト」というバットのスイング時のさまざまなデータを計測する機器だ。グリップエンドにつけるセンサーからBluetoothでiPadやiPhoneなどの端末に打撃のさまざまなデータを送信する。

今春のMLBキャンプでも大谷翔平が装着して打撃練習をしているシーンが流れたが、1セットで2万1780円(税込み)という手頃な機器ながら、バッティングに革命をもたらそうとしている。

受け取れるデータは、無料バージョンでは、バットスピード、手の最大スピード、アッパースイング度、さらにはスマホで動画を撮っていればそれに連動させるなどのデータサービスを入手できる。有料サービスでは、さらに詳細なデータを見ることができる。またコーチモードの有料サービスでは、選手ごとのデータ管理や、チームレポートを作成する機能がついてくる。

「これまで、ハイスピードカメラなど大きな装置でなければとれなかったバッティングの情報が、『ブラスト』をグリップに装着すればすぐに出てくる。自分で確認することもできるし、チーム単位でも把握できる。『データの民主化』が起きているかなと思います」と中田氏は語る。

さらに中田氏は「野球ボール回転解析システム『MA-Q』」を開発。
「投球データを『ブラスト』同様、BluetoothでiPhoneやiPadにデータを送信することができます。これまで、球速はスピードガンで計測していましたが、データを手書きでメモする必要があり、大変でした。

でも『MA-Q』は、極端に言えばキャッチボールでも球速、回転数、回転軸と変化量などのデータを録れます。内野手や外野手の送球もデータが録れます。据え置き型の機器より手軽なうえに、汎用性が高いんです」

「MA-Q」は、税込み3万2780円と手軽な価格でもある。

今永昇太が使う「モーションロープ」を開発

また、同じボールの形状をしたトレーニング用ボール「MOI-75」も開発した。

「コアの部分の組成を変えることで、回転がかかりやすくなったボールです。このボールで練習をすると指にかかる投げ方を習得し、回転数を向上することができるようになります。投手だけでなく、送球が不安定な野手にも使ってほしいですね」

さらに中田氏はトレーニング機器の「モーションロープ」も手掛けている。

「今年、カブスへの移籍が決まった今永昇太選手が使っていますが、結構重みがあって、しなるので、これを使うと一気に体が温まるんですよ。野球で使う体の各部位の可動域をひろげる効果があります。僕自身が素材を選び、コスト面なども含めて試行錯誤して開発しました。これまでアップはトレーナーと2人でやることが多かったのですが『モーションロープ』があれば、一人でしっかりアップができます」

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