危機を迎えるたびに「より強くなる」100年企業 元中小企業庁長官が語る「老舗の耐久力」
東洋経済オンライン / 2024年3月11日 8時0分
10倍成長のスピードで競争を勝ち抜き、市場を独占するほど大きくなったところで株式や事業を売却してゴールとするのがユニコーン企業なら、ゼブラ企業は同業他社や地域社会と協力し合いウィンウィンの関係を築いていく。上場や売却を目的とはせず、ゆっくりだが持続的な繁栄を目指す。ゴールはあくまでも社会課題の解決だ。
ひと昔前まで、アクティビストなど強欲なもの言う株主は投資先企業が成長しさえすればいいという目線で投資活動をしていたが、徐々に変わってきている。環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)を投資基軸にするESG投資は広く浸透した。そこからさらに踏み込み、投資によって社会課題の解決を目指そうとするインパクト投融資も台頭している。
――社会を無視する企業は資金調達すら難しくなってきているわけですね。
そういうことだ。ここで強調しておきたいのは、ゼブラ企業と100年企業の共通項。社会課題解決や自然との共生、利他の精神といったゼブラの理念は、100年企業の理念そのものだ。ゼブラ企業は100年企業に向かって走っている。
――ゼブラ企業や100年企業は理念こそ立派ですが、事業を100年続けるのは大変です。秘訣はどこにあるのでしょうか。
100年企業には危機を何度も乗り越えてきた耐久力、レジリエンスが備わっている。そのことが今回、帝国データバンクに依頼した調査によって明らかになった。
帝国データバンクは2008年、創業設立から100年が経過した企業のうち決算書を入手した1913社を分析して『百年続く企業の条件』(2009)という本にまとめている。
今回、分析対象としたのは2008年当時のデータと、2021年度の100年企業7582社、全業種企業24万3399社だ。
まずは2008年当時の、100年企業と全業種企業の平均値を比較してみたい。
本業の儲けを示す売上高営業利益率は100年企業が1.88%、全業種が1.91%で全業種のほうが高かった。一方、本業以外の収益を含めた売上高経常利益率になると100年企業が2.04%、全業種が1.90%で、100年企業が上回った。100年企業は土地や建物など蓄積した資産を活用しているケースが多く、本業以外の収益(営業外収益)が経営を下支えしていた。
100年企業が逆転していた
――2008年からのリーマンショック、2020年からは新型コロナウイルス禍と、大きな危機がグローバル経済を襲いました。2021年度、両者はどうなったのでしょうか。
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