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危機を迎えるたびに「より強くなる」100年企業 元中小企業庁長官が語る「老舗の耐久力」

東洋経済オンライン / 2024年3月11日 8時0分

永遠なるものの存在を否定し、何度でも同じものを再生するという考え方は日本美の本質だろう。

――外から見ると、日本人が気づけていない価値が数多く存在するということですね。

日本のメディアはあまり報じなかったが、2023年11月、日本は「国家ブランド指数」で初めて首位となった。

国家ブランド指数とは、国家イメージ戦略の世界的権威サイモン・アンホルト氏(イーストアングリア大学政治学名誉教授)が考案し、世界最大級の市場調査会社イプソスが共同で実施する調査。2023年度は世界60ヶ国を6カテゴリー(「輸出」「ガバナンス」「文化」「人材」「観光」「移住と投資」)で測定した。

日本は6年連続トップだったドイツを抜いて首位に立った。こういうランキングもあるのだ。なかでもパーソナリティ特性別ランキングは面白い。

幸せ 1位 ニュージーランド 2位 スペイン 3位 アイルランド
創造的 1位 日本 2位 韓国 3位 台湾
強い 1位 ドイツ 2位 アメリカ 3位 中国
寛大 1位 カナダ 2位 ニュージーランド 3位 アイルランド
有能 1位 ドイツ 2位 日本 3位 韓国

日本は世界から「創造的」であり「有能」だと認識されている。
一方、以下はネガティブ項目。

貪欲 1位 中国 2位 ロシア 3位 アメリカ

傲慢 1位 ロシア 2位 アメリカ 3位 サウジアラビア

うそつき 1位 ロシア 2位 中国 3位 サウジアラビア

ここに日本が入っていないことも国際的イメージが良いことを物語っている。できるだけ敵をつくらず、産業立国を築いてきた日本の強みだろう。

――ひと昔前まで、ものづくりの国として知られていました。

現代でもそう見られている。それは以下の項目からわかるし、日本が特殊な地位を占めていることもうかがえる。

私はこの国で製造された製品を信頼している
1位 日本 2位 ドイツ 3位 アメリカ

私はこの国がグローバルな経済的リーダーだと思う 
1位 アメリカ 2位 日本 3位 ドイツ

この場所は他のどの場所とも異なっている
1位 日本 2位 エジプト 3位 イタリア

「日本が他民族より優れている」的な、偏狭な愛国主義を唱えているのではない。自然美や労働美、経営美の歴史を地道に積み重ねてきた産業立国日本は、日本人が思っている以上に世界から信頼されているということだ。対立を和らげ、平和に貢献できる力を持っている。こうした日本の優位性を忘れるべきではない。

GDPでは測れない価値が日本の100年企業には詰まっている。その価値にこそ目を向けたい。

野中 大樹:東洋経済 記者

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