1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

『相棒』ただの刑事ドラマを超えた円熟の魅力 杉下右京の「やさしさ」と登場人物の「その後」

東洋経済オンライン / 2024年3月12日 13時30分

また特命係の周辺では、捜査一課の伊丹憲一(川原和久)、芹沢慶二(山中崇史)、出雲麗音(篠原ゆき子)、組織犯罪対策部の角田六郎(山西惇)、鑑識課の益子桑栄(田中隆三)らがいる。

さらに刑事部長の内村完爾(片桐竜次)、刑事部参事官の中園照生(小野了)、現在は内閣情報調査室の青木年男(浅利陽介)などもおなじみだろう。元鑑識課の米沢守(六角精児)もいまだに人気が高い。

“刑事ドラマを超えた刑事ドラマ”へ

そしてもう一方で、歴代の相棒たちはもちろん、薫の妻で現在はフリーライターの亀山美和子(鈴木砂羽)のように、右京にとって個人的にも身近な人物たちがいる。ここまでみてきたように、そちらの面の群像劇という点で、season22の特に後半は見どころが多かった。

刑事ドラマでは、レギュラー出演する刑事であっても一度退場するとそれっきりか、めったに再登場することはない。

だが『相棒』は別だ。たとえ一度物語の舞台から姿を消した登場人物であっても、亀山薫が年月を経て復帰したように「その後」がある。そして今シーズンは、ゆかりの深いさまざまな登場人物の「その後」を描く人間ドラマとしての円熟味がいっそう増した。

出会いと別れだけでなく、思わぬかたちでの再会もある。それが人生の妙味というものだろう。そんな人間ドラマとしての魅力をさらに加え、“刑事ドラマを超えた刑事ドラマ”となった『相棒』の行き着く先を見届けたい。そんな感慨を抱いたseason22だった。

太田 省一:社会学者、文筆家

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください