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残念な社長が「残念な人」に大仕事を任せがちな訳 「社員を舐めている」から現場の説得に手を抜く

東洋経済オンライン / 2024年3月13日 11時0分

残念な社長ほど「残念な人」に改革を任せてしまう、根本的な理由とは?(写真: takeuchi masato/PIXTA)

「電通の労働環境改革を、最優先事項として全力でやる。小柳、きみも手伝ってほしい」

2016年10月、後に電通の社長になる常務から呼び出され、時短の「特命」を受けた小柳はじめ氏。2年間という限られた時間の中で、パフォーマンスを落とすことなく法定外労働時間を60%削減できたのは、なぜだったのか。

その全手法を「8つの鉄則」にまとめた書籍『鬼時短――電通で「残業60%減、成果はアップ」を実現した8鉄則』が、発売即増刷が決まるなど、いま話題となっている。

ここでは、本書の一部を抜粋・再編集して、残念な社長ほど「残念な人」に改革を任せてしまう、根本的な理由を解説する。

改革に「協力的すぎる人」は要注意

私はこれまで、多くの企業の「時短改革」に取り組んできました。

【写真】電通の時短改革を主導し、1カ月で10万時間削減した小柳はじめ氏の著書『鬼時短』は、発売即重版になるなど話題となっている。

最初の機会は、30年以上勤務した電通で、4年間グループ会社に出向したときです。そこで利益率を向上させつつ、残業時間を大幅に短縮するという経験をしました。

その後、電通本社に帰任し、労働環境改革プロジェクトに参加。2年間で残業時間が半分以下に激減していくのを目のあたりにしました。

4年前に独立してからは、コンサルタントとして企業に「時短から始める企業改革」のアドバイスをしています。

そんな経験から、「改革メンバーに選んではいけない人」の特徴が見えてきました。それは、こんなふうに言ってくる方です。

「改革に大賛成です! ぜひ協力させてください!」

改革をスタートさせた段階では、多くの社員は改革に前向きではありません。現場の説得に四苦八苦している改革担当者からすれば、砂漠で見つけたオアシスのような希望の光に思えるかもしれません。

「あなたのような存在を待っていた! いっしょに時短に取り組んでいこう!」

こうして手を携えて共に改革を進めていく……という前に、慎重になってください。

改革担当者の危機意識として、「私も改革に参加したいです!」と名乗り出てくる社員は「要注意」だというアンテナを張っておきましょう。

改革は「面倒くせえ」と言う人を口説いて任せるべき

なぜ、改革に協力的すぎる人は要注意なのでしょうか。

時短を含めたあらゆる改革は、既存の業務を否定する荒療治です。

現場で頼られている「現場の主」をはじめ、業務をしっかりとこなしてきた方々ほど、改革に前向きではありません。改革の効果は十分わかっても、その過程でどのくらい面倒なことになるか、それがわかっているからこそ後ろ向きなのです。

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