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「100年人生」提唱者が日本の若者に伝えたいこと 新社会人も知っておきたい動と静のメリハリ

東洋経済オンライン / 2024年3月13日 10時0分

だからこそ自分で考えて行動する習慣を身につけさせることが非常に重要なのです。そして『16歳からのライフ・シフト』が考えることの大切さに気づくきっかけになれば、著者冥利に尽きますね。

日本の子供たちに伝えたいこと

私が日本の16歳の子供たちに唯一、具体的なアドバイスをするとしたら「英語を学びましょう」ということです。日本以外では、世界中どこにも日本語を話す人がいません。すると旅行するにも言葉の壁が立ちはだかり、どこに行っても日本人としか過ごせない状態になってしまいます。これは非常に不利です。

たとえばインドで高等教育を受けた人は皆、英語を話せますから、アメリカに渡ってロボット工学を学ぶことができます。そのままアメリカに滞在してもいいし、その知識をインドに持ち帰ってもいい。でも英語が話せなければそれができません。つまり、グローバルな労働市場に自分たちをその一部として組み込むことができないということです。

また言葉の壁がなくなり、海外に行く機会が今以上に増えれば、他文化への理解も深まりますし、自分たちの文化についても見直す良い機会になるでしょう。

もっともあと数年もすればAIを使って、イヤホンをつけるだけで世界中の人と会話が成り立つような素晴らしい技術が出てくるかもしれません。ただ自動運転と同じくらい、時間がかかる可能性もあります。

「快適ゾーン」から一歩踏み出そう

ライフ・シフトはもちろん海外に行くことだけではありません。国内にいても、新しい自分や新しい道を発見していくことはできます。そのためには、いわゆる「快適ゾーン」から一歩踏み出すことが大切です。「ちょっと難しそうだな」と思うことや、今まで自分がやってこなかったことに勇気をもって挑戦してみるということです。

私自身、19歳のときに初めて人に教えるという経験をしました。町の貧しい地域にあるコミュニティセンターで、40代の人たちが集まる夜のクラスで心理学を教えることになったのです。初めての経験だったので、正直とても不安でした。

でも、挑戦してみて多くのことを学びました。彼らがどのように世界を見ていたかを知りましたし、何より私は教えることが大好きなのだということがわかりました。

この経験は、私に「世の中」を教えてくれたと思います。長い歳月を経て、私は今、教えることが得意になっていますが、それはこのときの経験があったからです。実際に行動を起こしてみないと、自分は何が好きで何が嫌いなのか、わかりません。

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