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「100年人生」提唱者が日本の若者に伝えたいこと 新社会人も知っておきたい動と静のメリハリ

東洋経済オンライン / 2024年3月13日 10時0分

また行動を起こしたからといって、すぐに答えが見つかるとも限りません。私は旅行が大好きで、10代のときは少ないお金をやりくりしてイギリス中を旅しましたが、その時点で自分が何になりたいのかわかりませんでした。答えを出すことが重要ではないのです。自分で考えて行動することそのものが大切なのです。

ロールモデルがいない時代、これから若い世代は多くの「実験」をしていかなくてはなりません。「快適ゾーン」から一歩踏み出すという経験や勇気は、これからの人生における「実験」の礎になってくれるはずです。

「何をやらないか」を決めることも大事

すでに社会人として人生を歩み始めている人も、リタイアの時期が見え始めている人も、今の時代、静的に立ち止まっていることはできません。年齢を重ねるにつれて新しいことを学ぶのは難しくなっていきますが、スキルアップするか、リスキルするか、あるいは自分の活躍の場を縮小させるか、この3つのうちどれかです。

今の社会に固定されたポジションはないので、現状維持という道はありません。だからこそ、学び続けることは何においても重要なのです。

私自身、ChatGPTが出た翌日には、自分で試してみました。実験的なマインドセットを持つことは大切です。失敗も生きることの一部、100年人生はとても長いですから。

一方で、「何もしない」ことも重要です。たとえば私は、SNSには全く時間を使っていません。X(旧Twitter)やLinkedInなど、世界との関わり方についてはとても気をつけています。

また毎日の散歩でPodcastを聞くこともしません。ただリラックスして、自己を振り返りながら歩くだけです。ワクワク感を大事にすると同時に、心の静けさも大切なこととして位置づけています。

重要なのは、「動」と「静」のメリハリをどのように維持するか。「何をやるか」ということと同様に、「何をやらないか」を決めることです。どうやって心の平静や均衡を保つか、自分に合った方法を見つけてほしいと思います。

そして何歳であっても、無形資産について事あるごとに思いを巡らせてほしいと思います。「生産性資産」「活力資産」「変身資産」のそれぞれで、自分はそれを蓄積しているのか、使い果たしているのか。

人生100年時代の折り返し地点にいる世代なら、自分はまだ学んでいるか、子供たちの良いお手本になっているか、子供たちに学び方について教えているかを自身に問うてほしい。無形資産について振り返ることは、どの世代にとっても、自分の立ち位置を確認する良い機会になると思います。

リンダ・グラットン:ロンドン・ビジネス・スクール経営学教授

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