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日本人幹部を憤慨させた「アメリカ本社」の要求 時に「ドライすぎる」と感じる背景にあるもの

東洋経済オンライン / 2024年3月13日 8時0分

震災で日本の自動車産業は大きな影響を受けたが、そうした中でも、自動車工業会や、自動車部品工業会などが中心となって自動車各社が被災地復興のためにできることを自主的、あるいは力を合わせて行っていた。

私はこの枠組みに日本法人として参画し、日本の部品メーカーと連携しながら、被災した部品メーカーの復旧にも参加し、限られた部品をそれまでの購入量に応じて分け合うスキームに参加した。

そして、日本以外のサプライヤーからの同等の部品供給の道も提案していった。

外資系企業における日本法人の知られざる役割

外資系の日本法人の役目は、単に海外本社の指示を顧客に伝えるとか、逆に日本の顧客の意向を海外本社に伝えるメッセンジャーになることではない。日本法人はビジネスの当事者として覚悟と信念を持って、双方にとって正しい結論を導いていく責任がある。

欧米では自動車メーカーが部品メーカーの評価に、QCD(Quality, Cost, Delivery)の3つの指標で評価することが多い。日本ではこれに加えて開発力/技術力を示す「Development」と経営陣の経営哲学と顧客に対するコミットメントを示す「Management」を追加したQCDDMの軸で評価される。

この「Management」の評価を高めるためには、日本法人は日本の顧客の期待に合わせて海外本社をしっかりとリードする必要がある。海外本社の意図を日本企業に伝わる形で伝えるなどの舵取りが求められる、

東日本大震災の対応で日本法人がリードしたことで、結果的に日本の顧客との信頼関係も維持でき、震災による生産停止などの経済的な影響はでたものの、日本の顧客とのビジネスは継続し信頼関係も強化できた。

「契約書を超えて」長期的なビジネスの成功を共に目指す、という精神は危機管理には特に有効だ。自動車メーカーを頂点に置いたピラミッド構造と、顧客、サプライヤーとの相互信頼関係は日本企業が世界でも戦える基盤になっている。

こうした精神を「契約」という形で「見える化」して世界に広めていくことができればと考えている。サプライヤーと顧客企業の共存共栄を進化させていきたいものだ。

四元 伸三:きづきアーキテクト 匠/シニアカウンセラー

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