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一般人はDXをどこまで知っておけばいいのか DXに貢献できる人材になるためのはじめの一歩

東洋経済オンライン / 2024年3月15日 9時20分

欧米、特にアメリカの大手企業やスタートアップが積極的にDXに取り組み、ビジネスモデルを変容させているのとは対照的です。たとえばかつてはネットで注文を受けDVDを郵送でレンタルするというビジネスモデルを展開していたネットフリックスは、DXによってサブスク型動画配信サービスの雄へと大変身を遂げました。

日本企業が競争力を増すうえでも、改めてDXの重要性を理解し、それに取り組み成果を上げることは必須といえるでしょう。

理解しておきたいレイヤー構造の意味

さて、デジタル技術を活用したビジネスモデル構築にあたって、理解しておきたいキーワードにレイヤー構造があります。これについて簡単に解説しましょう。

レイヤー構造とは、システムやアプリケーションの構築・運用をしやすくするために、機能や役割ごとに階層化された構造を指します。水平分業と言い換えてもいいでしょう。

パソコンであれば、ハードに加え、OSやアプリケーションといったレイヤーが存在します。また、インターネットに接続するのも当然ですから、通信のレイヤーも必要になります。ユーザーは、自分の目的を踏まえたうえで、ハード、OS、アプリケーション、通信を自由に組み合わせて、パソコンライフをエンジョイするのです。

DXの根底には、さまざまなレイヤーを積み重ねることで、多彩できめ細かなソリューションが生まれるという発想があります。日本では1980年代頃まで、パソコンメーカーがOSに加え、一部のアプリケーションも作っていましたが、それではユーザーにとっての自由度が下がります。特にITが関連する領域については、レイヤーごとに分業体制を敷くことが、ユーザーにとっては嬉しいシーンが多いのです。

レイヤー構造の変化:自動車業界の例

そしてそのレイヤーのどこを自社が担うかによって、収益の上げやすさなどが変わってきます。

自動車に例をとると、いままでの自動車の主要な提供価値は、走行という部分にありました。それをさらにブレークダウンすると、車両(部品+アセンブル)に加え、制御用の半導体やソフト、さらにはカメラやカーナビといった、走行をより快適にするレイヤーがあります。これまでは利益が蓄積されてきたのは、車両のアセンブルというレイヤーであり、自動車メーカーがその中心となってきました。過去最高益を上げたトヨタ自動車がその代表例です。

ただ、今後は自動運転やEVの技術が進むことが予想されています。そうなると走行そのものの価値が下がり、自動車の中でのエンターテインメント(例:フロントガラスをスクリーンにして映画を見る)などがより重要度を増す可能性があります。自動車は端末の1つになり、さまざまなサービスのアプリケーションや、それを提供するOS(課金レイヤーも含む)に利益が蓄積されていくというシナリオも十分に考えうるのです。

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