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陰謀論情報を発信、30代彼がオカルトに冷めた瞬間 ノストラダムスに、スカイフィッシュの映像が…

東洋経済オンライン / 2024年3月15日 14時0分

雨宮さんが就職活動をはじめた時期は、リーマンショックの影響で氷河期だった。

雨宮さんは、卒業後も東京にいたかったので、東京で就職することにした。

「理系の罠がありました。今は違うかもしれませんが、就職が良いのは主に機械・電気・情報で、生物は不利でした。また、東京で刺激のある生活を送りたかったので、首都圏勤務になれそうな会社を探しました」

雨宮さん自身、大学院で研究をしながら、生物よりもプログラミングのほうが向いていると思うこともあった。

「生物って理屈通りいかないんですよ。ネズミN匹で実験したら結果がバラバラになったとか、普通に起きます。それから生き物なので成果が出るのが遅い。元々趣味でやっていて研究でも使っていたプログラミングは、書いたら書いた通り動く上、すぐに結果が分かるので、そっちのほうが自分の性格に合っているような気がしました。『攻殻機動隊』も好きだったし、脳神経科学の次はITに行ってみるかと考えました」

IT系の企業に就職し、システムエンジニアとして働くことになった。

「元々ネットにどっぷりはまっていたし、プログラミングも経験はしていたので、エンジニアとしての仕事にはすんなり適応できました。

新人の頃はプログラミングが中心だったんですが、段々、

『クライアントに話を聞いて、要求に答える』

のがメインの仕事になっていきました。相手は人間、つまり生物なので理屈通りには動かないのですが(笑)、それでも仕事として充実しており、結果としては良かったと思います」

仕事をしていく中で、小さい頃からあった破滅願望が薄れていくのを感じた。

破滅願望は薄れたが、興味は尽きない

「幸いなことに会社にはまともな大人が多く、ちゃんと仕事をしたら正当に評価してくれました。会社に対して反発心はわかず、逆に徐々に自分の中の何かが癒やされるのを感じました。今でも同じ業界に関わりながらこの活動をしています」

雨宮さん自身の破滅願望は薄くなったが、それでも、オカルト史、疑似科学、スピリチュアル、悪徳商法に対する興味は尽きなかった。

2019年頃、雨宮さんが暇つぶしに街コンに出席すると、

「夢を叶えるためには起業しなくちゃダメだ!!」

とやたら煽ってくる人がいた。

別の機会で、知り合いが主催したプレゼン練習会に出席しても同じような話をしてくる人がいた。

「彼らについて調べたり、問い詰めたりした結果、マルチビジネスの会員が紛れ込んで勧誘していることが分かりました。彼らが仕掛けてくる自己啓発思想には、宗教思想から巧妙に宗教色を抜いたものが含まれていました。それを『宗教ではない、身近な真理』であるかのように物知り顔で言ってくるのですごく腹が立ちましたね」

(後編に続きます)

村田 らむ:ライター、漫画家、カメラマン、イラストレーター

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