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DeNA南場会長が語る「日本はダイナミズムがない」 DeNA南場会長とハイセンスジャパン李社長対談

東洋経済オンライン / 2024年3月15日 8時0分

バフェット氏が日本株を買い、日経平均が4万円に乗り、不動産価格もずっと上昇している。

日本のニュースやインターネットで経済が悪いという意見をたくさん見ますけど、経済が悪ければビルやスタジアムは建たないし、私にはビジネスチャンスにあふれた国に見えますよ。それに教育の質も高いし、人々のマナーもいい。だから世界中から外国人が日本に旅行に来たがるんですよ。

中国では失敗を気にしない

南場:李社長が外から見た視点で、日本のこういうところがすばらしいと言ってくださるのは非常に嬉しいですが、中にいるとどうしてもやきもきして足りないものばかり目についてしまいます。

李:多くの人が自分の国に対しては厳しい目でみがちだけど、南場会長もそうですが、日本人は特に厳しいですよね。順調なときも危機感を忘れない。

資源が少なかったり国土が小さいから、生存のために危機感が強くなるのでしょうか。中国人は国が大きくて人口も資源もあるので、チャンスの大きさに目が行って、失敗も気にしません。芸能人だってそうですよ。日本はスキャンダルが出たら、タレント生命が終わりって感じですよね。中国は人も事件も多すぎて忘れちゃいますから、すぐ復活できます(笑)。

日本人の自身への要求の高さは、製品やサービスの質に反映されているし、人々の礼儀正しさにつながっています。世界でいちばんのものが多くあって、ノーベル賞受賞者だってたくさん輩出しているじゃないですか。

中国企業は急速に成長しましたが、技術の蓄積はまだ足りていないし、製品品質の基準なども日本企業との差は大きいですよ。

――中国の経営者や研究者は日本の研究開発はもちろん、100年、200年続く企業が多いことを高く評価します。

南場:会社が200年続くのはもちろんすばらしいことだと思うんだけれども、社会全体としては主役が入れ替わるダイナミズムがあったほうが、そういう経済のほうが成長していることは間違いなくて。

それにノーベル賞とおっしゃるけど、30年後には、いや10年も経たないうちに日本からノーベル賞は出なくなるかもしれない。中国からたくさん出るかもしれない。

李:でもノーベル賞は中国ではまだ2人しかいない。だいぶ差がありますよ。

南場:日本も課題を認識して研究開発に国のお金を注ぎ込むようになっています。なので期待をしたいですし、やっぱり日本のいいところを大事にしつつ発展していかないといけないと思います。

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