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DeNA南場会長が語る「日本はダイナミズムがない」 DeNA南場会長とハイセンスジャパン李社長対談

東洋経済オンライン / 2024年3月15日 8時0分

李社長は本当に日本のことをよく言ってくださるんです。嬉しいですけど、事実として日本の地位はどんどん下がっていますし、生産性もG7で最下位ですし。

あと、これは中国もいずれ日本以上に大きな問題になるでしょうけど、少子高齢化が進んで市場がこの規模感で縮小していくこともかなり深刻です。日本を対象とした事業では頭打ちで、世界を相手にした事業でないと発展性がなく、企業価値もなかなかつきません。

世界で活躍できる人材じゃないと日本を救えない

――中国も最近はアフリカや南米にどんどん出ていく。

南場:中国の企業はガッツがありますよね。

李:日本企業の海外進出は30年前に始まり、こちらも蓄積があります。中国はまだ始まったばかりですから。

南場:国内市場が縮小の方向にあるので、日本の大企業が世界に目を向けているのは間違いないです。海外で収益を上げて海外で再投資をしてしまうので、国民総生産(GNP)にはなるけど国内総生産(GDP)にはならないってのを懸念する人もいますけど、私はそれでも日本の企業が世界で勝つことはすごく重要だと思います。

世界で活躍できる人材じゃないと日本を救うことはできない時代になってくるでしょうし。いかに愛国心があっても、国に閉じている人が国を救えることはないと思うんです。

そういう意味だともっともっと世界を見据えて、世界で勝負しようというハングリーさが必要で、中国の方々のほうがずっとハングリーだと思います。スタートアップの世界でもそうです。例えばYコンビネーターというアメリカ最大のアクセラレーターは中国人や韓国人の参加がとても多いです。

最近は米中関係の影響で中国人が減っていますけども、日本人はYコン(Yコンビネーター)にも入っていないし。日本はとても居心地がいいと言っていただいて、それは日本人にとってもそうで、アメリカの西海岸で起業する人も、アメリカのトップの大学院で学ぶ人も少ないです。

だから出たがらなくなってしまっているのは懸念するところです。もう一世代前はまだハングリーさがあったように思います。

李:生活が豊かになると欲求も低下するかもしれない。中国もそうですよ。1990年、2000年代生まれと1970年、1980年代生まれは全然違います。

中国は1980年ごろまでみんな貧乏だったから、家庭の経済状況を改善するために頑張って働いて、給料を多くもらうために競うのが当然でした。

その結果、1990年代に入ると都市部は豊かになってきて、そんな環境で育った今の若者は総じて欲求が強くなく、仕事や出世もほどほどでいいと考える人が増えています。7~8年前に、中国では「仏系青年」という言葉が流行しました。

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