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中学受験が「早く通い始めた者勝ち」ではない理由 低学年のうちは「広い意味での勉強」がおすすめ

東洋経済オンライン / 2024年3月16日 8時30分

受験のシステムや試験内容も変わっています。30年前のように知識を問う問題の比率は減って、思考力重視の問題が増えています。塾業界も、かつては存在しなかったSAPIXが絶対的なトップに君臨していますし、オンラインの塾はこの3年で急拡大して、対面授業専門の塾も映像授業配信を導入するようになりました。

中学受験をめぐる状況は目まぐるしく変わっていますから、「知っているつもり」が一番怖いのです。

誤解3 中堅校なら入れそうという見通し

3つめの誤解は、中堅校なら入れそうだと考えることです。「うちは、よそと違って、偏差値の高い学校じゃなくて中堅校に入れれば十分だから」と思ってはいないでしょうか? 

中学受験塾の偏差値50は、高校受験の偏差値50とは意味が違います。中学受験は母集団の学力が高いので、偏差値50を取るのは容易なことではありません。

中堅校に合格するにも、小3の2月から中学受験専門塾に通って本気で勉強する必要があります。中には小5の冬期講習くらいから入塾して受験勉強を始めて、難関校に合格するような子もいますが、稀なケースです。

また、中学受験の内容は、大学を出ている大人でも、中学受験の内容に日々触れていない素人にはそう簡単に解けるものではありません。四谷大塚のWebサイトで『予習シリーズ』というテキストのサンプルを見てみてください。「これを小学生が解くの?」と衝撃を受けるはずです。

誤解4 有名大手塾に入塾させれば安心

4つめの誤解は、大手塾に入塾させれば安心だというものです。塾は、お金さえ払えば後は子どもの成績が勝手に伸びていくというような、夢と魔法の場所ではありません。

大手だから、有名だから、ブランドがあるから、人気があるから、合格実績がすごいから……といって決めると、失敗します。

塾は名前で選ばず、子ども本人に合いそうかを最優先

トップ塾の成績上位クラスに入れるのは限られた生徒だけですし、入れたとしても、そのクラスに居続けるのは大変なことです。有名大手塾に入塾すれば、みんな成績が上がるわけではありません。大事なのは、入塾してから、そこで習ったことをどれだけ吸収できるか、身につけられるかということです。

だから、塾は、お子さんに合った塾を選ぶことが大切です。近所への買い物や家族の送迎くらいしかしないのにスポーツカーを購入したら、扱いづらいですよね。でも、トップ校をめざすつもりがないのにトップ校をめざすための塾にわが子を入塾させるご家庭が、少なくありません。勉強する本人であるお子さんにとって合いそうな塾かという視点で選ぶことをおすすめします。

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