がん患者になった医師が教える「余命宣告」の意味 体力が低下しつつ、がんが進行したらどうなるのか
東洋経済オンライン / 2024年3月17日 16時0分
2023年5月に甲状腺がんと診断され、現在は経過観察となった緩和ケア医師の廣橋猛氏。これまで医師として患者に正面から向き合ってきましたが、自身ががん患者になってわかったことも少なくなかったといいます。例えば、がん患者にとって大きな問題となる体力の低下。廣橋医師は手術前後で変化した体力に戸惑いながらどのように対処したのか。
著書『緩和ケア医師ががん患者になってわかった 「生きる」ためのがんとの付き合い方』より、がん患者に知っておいてもらいたい知識をご紹介します。
手術後や治療などで体力は劇的に低下する
私が甲状腺がんの手術で1週間近く入院することになったとき、仕事への影響はできるだけ最小限にしたいと考えていました。
それには、退院後すぐに仕事へ復帰する必要がありました。外来診察などは座ってできる仕事なので、なんとかなるのではないかと楽観的に考えていたのです。
ただ、いざ復帰してみると、以前の自分とは大違い。長く話しているだけで疲れてきて、歩いての通勤すらつらく感じてしまい、夜はただひたすら寝て過ごすことになりました。明らかに治療を通じて、体力が低下してしまっていたのです。最終的には身体が持たず、お休みをいただく羽目になり、かえって同僚たちに迷惑をかけてしまいました。
がん治療、そしてがんの進行は、身体から体力を奪います。がん治療は正常な細胞にも影響を及ぼしますし、進行してくるとがん細胞が身体のエネルギーを浪費するのです。
どうしても、以前の元気だった自分と比べると、体力が低下することは避けられません。この体力低下について、患者さんたちには常に話していたにもかかわらず、自分のこととなると過信してしまいました。
がん患者の身体には「体力温存療法」が有効
手術後に限らず、がん治療を進めていくなかで体力が低下してしまう人は少なくありません。ですから、私たちは体力低下を見越して、いろいろとゆとりをもって考えておく必要があります。
ここで私が紹介したいのは、体力を温存、配分する「体力温存療法」という考え方です。 赤ちゃんを思い浮かべてみてください。赤ちゃんは昼寝をいっぱいします。
なぜかというと、赤ちゃんは体力がないので、昼寝をしなければ活動していけないからです。
でも、起きているときはすごく元気ですよね。実は、がん患者さんもこの方法を真似すると1日を快適に過ごせるようになります。
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