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がん患者になった医師が教える「余命宣告」の意味 体力が低下しつつ、がんが進行したらどうなるのか

東洋経済オンライン / 2024年3月17日 16時0分

1つ目は、がん患者さんはギリギリまで自分のやりたいことをしっかりできるということです。仕事、趣味や旅行など、人生で大切にしていることをやり遂げるチャンスはギリギリまであるのです。

2つ目は、この体力の落ち方の特徴を知らないと、自宅介護や緩和ケア病棟の準備が間に合わない可能性があるということです。まだ元気だから先の準備はいいかなと先送りしておくと、急激に体力が低下してきて、準備が後手後手になってしまい、やりたいこと、やるべきことができなくなってしまいます。

がん患者さん特有の体力の落ち方を知っておくことはとても大切です。
やりたいことをしっかりできる可能性を知る一方、あとで困らないように準備をしておくことの意義を理解できるはずです。

医師の余命予測は当たらないことが多い

あまり考えたくないことではありますが、体力が低下しつつ、がんが進行したらどうなるのか。余命を宣告される未来も今後可能性がないわけではありません。このときの心もちについて、私の経験からお話しさせていただきます。

まず、余命を宣告されたときに、多くの患者さんは戸惑います。毎日が死へのカウントダウンのように感じてしまう人も少なくありません。

しかし、実は残された時間の予測は医学的にとても難しいものです。がんを専門にしている医師でも、予測は3分の1しか当たらないと言われているほどです。

医師のなかにはこれまでの経験などから平均的な期間をおっしゃる方もいらっしゃいますが、それはあくまで平均です。

予測よりもっと長くなる方もいれば、短くなる方もいます。 実際、「余命半年」と言われても「3年生きる」人も現実にたくさんいらっしゃいます。

ですから、あまり医師から伝えられた数字に振り回されず、長くがんばる、具体的な数字にとらわれずに生きることが大切だと伝えると、がん患者さんの表情はパッと明るくなります。

医師と一緒にいまできることをしていくという姿勢が大切です。最後に、進行の恐怖と向き合っているのはあなただけではありません。 がん患者さんは皆一緒です。あなたは一人ではありません。どうかこのことも、忘れないでください。きっと力になってくれるはずです。

廣橋 猛:永寿総合病院がん診療支援・緩和ケアセンター長、緩和ケア病棟長

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