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本質を問う「Why型質問」が苦手な日本人の大問題 当たり前の質問で課題の深層に切り込む

東洋経済オンライン / 2024年3月17日 19時30分

職場でこの質問がされるとすれば、恐らく「あの人は社長に適任ではない」ことの反語表現として用いられることが多いのではないでしょうか。ここでは「文字通りの」意味を考えてみると、極めて本質的なことが浮かび上がってきます。

「なぜ○○さんが社長なのか?」を問うてみることはその会社の出自やカルチャー、あるいは今の置かれた状況をあぶり出すことになります。その人は創業者なのか? そうであれば「なぜ」今の事業を始めたのか? 

「なぜ」別の事業ではだめだったのか? その人は総務・人事・企画部門出身なのか、あるいは営業部門出身なのかの問いからは、その会社が「管理中心」の大会社なのか、あるいは「営業中心」の会社なのか、はたまた技術部門出身であれば技術をコアとする会社なのかといったことがわかるでしょう。

そして現社長は「花形部門」を歩いてきたのか、あるいは「裏街道」を歩んできたのかを見れば、会社が直面する課題や向かおうとしている方向性(既存路線の延長なのか、抜本的なパラダイムシフトが必要なのか)もわかってくるでしょう。

このように、Why型の質問というのは一見誰もが疑いもしない疑問であればあるほど本質的な疑問を投げかけ、課題の深層に入っていくことができるのです。

今私たちに求められているのは、こういった「Why型の当たり前の質問」なのではないかと思います。日本人は学校教育時代から質問が苦手です。これは伝統的What型教育のなせるわざであるところが大きいと思いますが、Why型思考を身につけていく上で必ず越えなければならないハードルではないかと思います。

一見子供じみた質問を一笑に付さずに真剣にゼロベースで考える力というのが、これからますます必要になってくるでしょう。

なぜ日本人は質問が苦手なのか?

ここで「なぜ日本人は質問が苦手なのか?」ということを考えてみます。

まず、もともと日本人は比較的見知らぬ集団に入ると寡黙になるという「ムラ意識」というのが影響していることは間違いないでしょう。「国際会議で難しいのはインド人を黙らせることと日本人をしゃべらせることだ」というよく言われる話(ジョーク)も、この一面を表しています。

こうしたベースとなる理由に加えて、ここではWhy型/What型という観点でこの疑問を解明してみたいと思います。

What型の質問とWhy型の質問の特徴は、まとめれば「What型質問は愚か者がすること」であり、「Why型質問は本質を解明するためのきっかけになる」(質問しないのは思考停止と同じ)ということでした。

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