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地球外生命体「火星より木星で発見」期待高い根拠 天文学者が語る太陽系最大の惑星の知られざる姿

東洋経済オンライン / 2024年3月17日 15時0分

太陽系最大の惑星、木星。直径は地球の11倍もあります。その木星の象徴とも言えるのが、赤い目玉のように見える「大赤斑」です。木星は白と茶色のストライプ模様をしていますが、そのストライプの境目に大赤斑は位置していて、少なくとも150年以上は観測され続けています。

大赤斑は、地球で言えば台風のような空気の渦です。地球の台風がせいぜい1週間くらいで消えてしまうのに比べると、大赤斑の寿命は桁違い。大赤斑は地球がすっぽり収まってしまうほどの大きさがあるので、そのサイズも規格外と言えます。

そんな大赤斑を、人類が誇る宇宙の目、ハッブル宇宙望遠鏡が定期的に観測し続けています。10年以上にわたる継続観測の結果、大赤斑は徐々に小さくなっていることがわかりました。(※)

2009年には東西1万5600km、南北1万1000kmでしたが、2020年には東西1万2400km、南北1万1000km。南北(タテ)方向の大きさはほとんど変わらず、東西(ヨコ)方向の大きさだけが2割ほど小さくなっていたのです。

もともとはわりと横長の楕円形でしたが、次第に円に近づいています。さらに、大赤斑全体の平均風速は10%ほど速くなっていることも明らかになりました。2020年には、最高風速でおよそ毎秒160m、時速580kmという速度に達していました。

(※) Wong, M. H., Marcus, P. S., Simon, A. A. et al. Evolution of the Horizontal Winds in Jupiter's Great Red Spot From One Jovian Year of HST/WFC3 Maps. Geophysical Research Letters 48, e2021GL093982 (2021)

未だ解明されていない木星に現れた変化の原因

こうした変化がなぜ起きたのか、まだ研究者たちは答えにたどり着けていません。大赤斑は横から見ると中心部が膨らんでいて、盛り上がったガスが外側に流れ落ちていくような構造をしています。

大赤斑の内部に噴き上がってくるガスに何らかの変化が起きているのかもしれません。ひとつのヒントになるかもしれないのが、2016年から2017年にかけてサイズも風速も急に変化していたという事実です。

2016年12月末、大赤斑のすぐ隣にあるストライプの中で白い雲が突然発生しました。これは、木星大気の下部からガスが沸き上がってきたことの証拠です。

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