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AI技術で「人が死なない時代」が来ることの"暗雲" 診察室は無人に、誤診は限りなくゼロに近づく

東洋経済オンライン / 2024年3月19日 19時0分

皮膚科医とAIを比較した2023年の総説論文によると、読影の正確さのスコアは同程度でも、人とAIでは得意分野が異なることが確認されています。

ここしばらくは、両者の「協力」「いいとこ取り」が続きます。

それでも、扱いやすい領域から始まって、高度な業務でも医師業務がどんどんとAIに置き換わる日は着実に近づいています。

AIはインターネットとの相性がよいため、インターネットを活用した遠隔診断や自動診断の実現と普及にも大きく貢献するでしょう。

私が今、注目している医療系スタートアップにUbie(ユビー)という会社があり、従来、紙に患者さんが手書きしていた問診を、AIの力を借りてスマートフォンやタブレットから入力できる自動問診サービスの提供を始めています。

これは、医師が慢性的に不足しているイギリスで保健省(NHS)が、その解決のために「Babylon」という自動問診・診断システムを導入した流れを汲む、といえるものですが、来院前に外出の準備をしながら簡単に入力できるため、診察をスムーズにしてくれますし、遠隔で医師が行う診断や自動診断もスムーズになります。

AIや自動問診は近い将来、全国に普及するでしょう。

たとえば、コンビニで無人レジを使うのがあたりまえの風景になったように、医療シーンにも、これまでの病院の風景をがらりと変えるようなイノベーションが続々と登場してきます。

あれほど対面が必須と思われていた商談や会議にもあっという間にオンラインが普及して、ビジネスシーンは激変しました。しかし、今やそれがあたりまえで、皆、それを当然のように受け入れています。

診察室からは人間医師の姿が消える

センシングとAI診断によって、診察室からは人間医師の姿が消え、誤診は限りなくゼロに近づいていきます。一部の手技や手術を除けば、人間医師でなければできない業務は激減するため、病院に必ずしも行く必要はなくなっていきます。

そもそも病院は、病気にかかった人が大勢集まっている場所です。わざわざ行くことによって病気をもらう可能性がありますから、病院に行かなくて済むのなら、行かないほうがいいのです。

センシングとAI診断でより正確な診断が行われるようになり、病院に行かなくて済むから病気をもらってくることもなくなる。私たちはますます病気では死ななくなっていくのです。

とはいえ、老いがなくなったわけではありません。

人間のほとんどの臓器の耐用年数は50年ぐらいと思っていいと私は考えています。日本人女性の平均閉経年齢が約50歳というデータは、人間の生殖能力が50歳前後を境に急速に減退することを意味しています。

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