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AI技術で「人が死なない時代」が来ることの"暗雲" 診察室は無人に、誤診は限りなくゼロに近づく

東洋経済オンライン / 2024年3月19日 19時0分

ロコモティブ・シンドローム(運動器障害のために移動機能が低下した状態)のリスクも、50代から大きくなります。 

しかし、現代は致死的な病気でも治せるものが増え、日本人の体力も向上しました。医療技術の進化はとどまるところを知らず、そのスピードは加速しています。そのため、臓器の耐用年数を超えて、多くの人が80歳、90歳、100歳と長生きするようになりました。

今以上に健康維持のための理想的な環境が整えば、今はまだ簡単ではないですが、120歳を迎えられる人は増える可能性があります。

しかし「人間はいつか死ぬ」

ただし、人間はいつか必ず死にます。人生の終わりの瞬間に向かって身体が老化していくのは不可避です。現代は病気でなかなか死なない時代ではありますが、不老時代になったわけではありません。

2020年に「老化は治療できる病である」とするハーバード大学医学大学院教授のデビッド・A・シンクレア博士の著書『LIFE SPAN 老いなき世界』(東洋経済新報社)が刊行され、話題となりました。このように老化を病気とみなして治療しようとする研究も進んでいます。

ただ、そのような研究の結果として老化を治療する薬ができたとしても、非常に薬価は高額で、健康保険では当然カバーできず自費診療となります。その恩恵にあずかれるのは、ごく一部の富裕層だけです。

そして、ここからが肝心なのですが、仮にその老化の治療薬で寿命が数十年延びたとしても、いつかは死が訪れるのです。

また、延びた分の数十年の間にまったく身体の不調がないことは考えにくく、そのときは病院や普通の薬に頼ることになるでしょう。寿命が延びたら延びたぶんだけ、生涯に使う医療費は増えるのです。

奥 真也:医療未来学者・医師

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