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ドラマ「不適切にも…」で考えた"炎上"問題の本質 不意に生み出される"炎上"に適切に対応する4つの視点

東洋経済オンライン / 2024年3月19日 13時10分

3. 一見すると正義感から批判しているように見えても、裏側には悪意がある(あるいは日頃の鬱憤を晴らすために無関係な他者を叩いている)

というのが実際のところだ。

前に筆者が書いた、キリン氷結無糖の成田悠輔氏の広告取り下げ問題(キリン氷結「広告取り下げ」に見る"空気感の変化")についても、批判をしている人の大多数は、成田氏が問題発言を行ったとされるABEMA Primeの番組を視聴はしていないし、発言の文脈を踏まえてその内容が不適切か否かを判断しているわけでもない。「不買運動」を呼びかけている人たちも、実際に商品を買っている、あるいは買う可能性がある人たちなのか否かも定かではない(大半は購入者、購入予定者ではないと思われる)。

こうした“炎上”に対して、果たして当事者はどれだけまともに取り合う必要があるのだろうか?

“炎上”対応を講じる際の4つの視点

現代はコンプライアンスが重視される時代ではあるが、過剰な批判が起きて炎上に至ってしまう現状と、コンプライアンス社会とは区別して考えるべきだろう。

実際に“炎上”が起きた際には、次の4つの視点から対応策を講じる必要がある。

1. 問題の本質がどこにあるのかを再確認すること

2. 炎上の内容が問題の本質と関わることなのかを検討すること

3. 向き合うべき相手は誰なのかを整理すること

4. 真に向き合うべき相手に真摯に向き合うこと

まず、1と2について考えよう。批判が巻き起こると、それに右往左往してしまいがちだ。しかし、冷静になって批判の内容が本当に問題の本質を突いているのかを考える必要がある。当事者でもなく、事情を知っているわけでもない第三者の批判は、得てしてピント外れのことも多い。そうした批判を真に受けていては、身が持たない。

問題の本質が確認できれば、おのずから3の向き合うべき相手が誰なのか、4の向き合い方も見えてくるだろう。

ドラマで描かれていたアナウンサーの不倫問題は、究極的には夫婦間、あるいは家族内の問題である。家族内の問題が解決できているか否かが重要なことだ。一方で、アナウンサーは公共の電波を通じて多くの人々に情報を送り届ける役割を果たしているため、視聴者の反応も無視できない。

一方で、番組を視聴しておらず、批判だけをしている人たちの声をどれだけ真剣に受け止めるべきなのかは検討の余地がある。批判の声を集めていると、それが世論、すなわち世の中一般の人たちの意見であるかのように勘違いしてしまいがちだが、実際はそうでないことの方が多い。

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