日ハム時代の大谷翔平が語っていた確かな「予測」 追い求める理想の体は「しなる棒のイメージ」
東洋経済オンライン / 2024年3月20日 11時20分
日本ハム時代から大谷翔平を10年以上追い続け、8度の単独インタビューを行ったスポーツニッポン新聞社MLB担当記者の柳原直之氏。同氏によるノンフィクション『大谷翔平を追いかけて 番記者10年魂のノート』から抜粋、3回に渡って紹介します(一部・加筆しています)。
第1回は、「2013‐2015シーズン 大谷翔平との出会い」です。
プロ入り後初めて侍ジャパンに選出
2014年11月の日米野球では日本代表に初選出され、プロ入り後初めて侍ジャパンのユニホームに袖を通した。2試合に投げ計5回6安打2失点(自責点ゼロ)。
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2度目の登板は本拠地札幌ドームが舞台で、直球が最速160キロを計測し、最も対戦を楽しみにしていた外野手のヤシエル・プイグ(当時ドジャース)から3打席で2三振を奪った。「楽しかったです。すごく積極的に振ってくる怖さを感じた部分はあったけど、(今、自分が)持っているもので勝負ができた」。
札幌ドームの関係者出口に急きょつくられたミックスゾーンで屈託のない笑顔を浮かべる大谷を見て、こちらまでうれしくなった。
日米野球も終わり、オフに突入した12月2日には、後にも先にもこの時しかない"レア"な体験をした。
スポニチフォーラム制定「FOR ALL 2014」(スポーツを通じて社会貢献や地域振興に寄与、または日本を元気づける顕著な働きをした個人、団体を表彰)で、大谷がグランプリを獲得。私は主催社であるスポニチを代表して、練習後の鎌ケ谷から表彰式会場の東京ドームホテルまでタクシーに同乗。車内で大谷に単独インタビューすることを許された。
徐々に日が暮れる夕方の移動だった。車内は徐々に真っ暗になり、準備していた質問案の文字がなかなか読めず、悪戦苦闘。大谷に何度も「何してんすか!?」と大笑いされた。
一方、その車内で大谷の警戒心を疑う出来事もあった。
インタビュー前に自身のスマートフォンに見知らぬ電話番号からかかってきた際に「もしもし。どなたですか?」と急に通話し始め、「スーパースターなのに大丈夫か!?」と、こちらが心配になった。調子に乗ってLINEを聞いたら「ダメですよ。青木さん(当時日本ハム広報)を通して下さい!」と笑われ、その様子に聞き耳を立てていたタクシーの運転手にも大笑いされた。
兎にも角にも、通常なら40分程度の道のりが渋滞のため、1時間ほどかかったのも幸いだった。異例の単独ロングインタビューはなんとか無事に成功した。
160キロが普通になる時代が来る
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