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いい意味での「朝令暮改型リーダー」は何が違う? 「一貫性がない」と「柔軟性がある」に分かれる訳

東洋経済オンライン / 2024年3月23日 6時50分

「言うことがコロコロ変わる」「一貫性がない」ということは、「柔軟性がある」と言い換えることができます(写真:metamorworks/PIXTA)

「言うことがコロコロ変わる上司」「『お客様の声を聞くな』と言うカリスマ企画者」……。ビジネスコンサルタントの細谷功氏は、不可解に思える発言を理解するためには、「Whatレベル」と「Whyレベル」を切り分けて、「Whyレベル」で考えることの必要性を説きます。その理由について、細谷氏の著書『Why型思考トレーニング』より一部抜粋・再構成のうえお届けします。

WhyとWhatを切り分けて考える

「朝令暮改」という言葉があります。文字通りの意味は「朝に命令したことを、その日の暮れ、つまり夕方にはもう改める」ということで、元をたどれば中国の古典『漢書』に由来します。

この言葉はビジネスで用いられるときには、いい意味で用いられるときと悪い意味で用いられるときがあります。

たとえば「朝令暮改型」の社長やリーダーと聞いて思いつくことは何でしょうか?

「言うことがコロコロ変わる」「一貫性がない」といった否定的な意味合いがまずは頭に浮かぶかもしれませんが、半面で「柔軟性がある」「環境に俊敏に適応する」という肯定的な意味も含まれるかもしれません。

こうした相矛盾する「朝令暮改」の二面性というのは、「Whyレベルの朝令暮改」と「Whatレベルの朝令暮改」の違いです。

まずは前者のWhyレベルの朝令暮改とは何か?

これはWhy、つまり物事を考える根拠や理由がふらふらして定まらない、いわゆる「軸がぶれている」という状態です。この部分が定まらないようでは、周りの人間は振り回されるだけで全くいいことはないでしょう。

これに対してWhatレベルの朝令暮改というものを考えてみましょう。

これは、よって立つ「哲学」の部分は不動の状態で、実現手段(What)をその場の状況に合わせて変更させていくということです。いわゆる「軸がぶれていない」状態です。軸がぶれなければ、その場その場で最適の手段に柔軟に対応していくというのは、リーダーとしては必須の行動パターンではないでしょうか。

ここまで述べてきたことは「Whyの一貫性」と「Whatの一貫性」の違いと言ってもよいでしょう。

「Whyの一貫性」は「軸がぶれない人」として歓迎されますが、状況が変化しているのに行動を変えない「Whatの一貫性」は「単なる頑固者」として煙たがられることになります。

ちなみに人によっては「Whoの一貫性」を重視する人(「あの人が言うことは何でも信用できるよ」)もいれば、「Whenの一貫性」を重視する人(状況が許せば何でもOK)もいます。

「一貫性」とは何か

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