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AI時代「子どもが不登校でも"問題"ない」本当の訳 つらいこと、嫌なことからは逃げてもいい?

東洋経済オンライン / 2024年3月24日 11時20分

つんく♂:あえて意地悪な質問をしますが、勉強なんてしなくていいとサボって、「あとから頑張ればいいや」って思い続ける、そんな人生ってありでしょうか。他の人のように収入が得られず、自立できない人生になってしまったら……って、親は心配しそうですよね。

孫:僕は全然ありだと思うんです。「今のうちに何かやっておかないと、後々ひどい目に遭うかもしれないよ」という考えは、一見、相手のことを思っているようで、そこで思考が止まっているという面もあるような気がするんです。

つんく♂:たしかに、それはありますね。人並みの生き方って、悪くいえば資本主義の歯車になって、税金を払うために、資本家に搾取されるために頑張って働くという側面もありますし。

孫:「あのとき、ああすればよかったのかな」とか「こうやって生きてきたけど、本当によかったのか」なんて、たぶん死ぬときにしか総括できないと思うんです。

たとえば苦しい下積みが長く続いて、20代、30代を闇雲に過ごしてきた人も、40代、50代で花開くかもしれないし、開かなかったとしても、もがいてきた経験や、そこで出会った人たちが人生を豊かにしてくれることもある。それは自分が決めることだと思います。

無責任に「頑張れ」と言えない時代

つんく♂:そうですね。たとえば僕は他人から見れば成功したと言われています。

その自分の経験則から、たとえば売れていない芸人さん役者さんに「もっと頑張れ」と言うことはできます。実際、好きなことなら努力できるし、努力すれば今日より明日のほうがうまくなります。自分自身がそうでしたから。

でも、本当にそれでいいのかという気持ちも、たしかにあります。

僕らの時代は、ミュージシャンならCDが売れれば、実入りもありました。でも、今はYouTubeで100万再生しても、そう簡単に金銭的な成功にはつながらないでしょう。時代が変わっているんだから、無責任に「頑張れ頑張れ」なんて言えない時代だなとも思ってしまいますね。

孫:だから僕は逆説的に「売れる・売れないよりも、好きなことをやっていたほうがよくない?」と思ってしまうんです。

「努力しなくてもいい」わけじゃない

つんく♂:ただ、そこで頑張ること、努力することを放棄していいのかという問題はありますよね。

孫:そこは僕も、つんく♂さんと同じ気持ちです。

僕もつんく♂さんも感じているのは、苦しいこと、つらいことから全部逃げていいと言いたいわけじゃない、ってことだと思うんです。

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