キャンピングカー用品が地震などの災害現場へ 簡易トイレやポップアップルーフの活用に期待
東洋経済オンライン / 2024年3月26日 12時0分
2024年元旦に能登半島地震が発生したことで、避難場所や電気・水道などの生活インフラに関する災害時の対策についても、ますます関心が高まっている。そんな中、「ジャパンキャンピングカーショー2024(2024年2月2~5日、千葉県・幕張メッセ)」では、キャンピングカー関連商品ながら、被災時にも役立つ用品などが数多く展示された。
【写真で見る】災害で役立つ、最新キャンピングカーアイテム。水を使わないトイレや快適に車中泊ができるポップアップテントなど
災害時に役立ちそうだと感じたアイテム
中でも注目だったのが、トイファクトリー(岐阜県可児市)が展示した新型ポータブルトイレ「クレサナ(clesana)」と、ホワイトハウスキャンパー(愛知県名古屋市)が開発した新型ポップアップルーフ「スカイデッキ(SKY DECK)」だ。
クレサナは、水を使わず排泄物(はいせつぶつ)を処理でき、環境にも優しいという簡易トイレだ。実際に、水道の復旧が遅れている能登半島の被災地・珠洲市でも使われており、住民の避難生活に役立っているという。
また、スカイデッキは、クルマのルーフ部に取り付けることで、停車時に就寝スペースを作り出せるポップアップルーフの新型モデルだ。素材を従来のFRPからメタルに変更することで、大幅な軽量化や量産化を可能とするほか、ミニバンなどの普通車へ後付けすることも可能。アウトドア・レジャーを楽しむだけでなく、災害直後の一時避難所として愛車を使うこともできるという。
ここでは、これら災害時にも役立つ2つのアイテムをピックアップし、それぞれの特徴などを紹介してみたい。
トイファクトリー:ポータブルトイレ「クレサナ」
キャンピングカー・メーカーのトイファクトリーが展示したクレサナは、スイスを拠点とするクレサナ社が開発した新型ポータブルトイレだ。大きな特徴は、水を一切使わないこと。トイレ本体の内部にセットしたロール状のフィルムライナー(密閉式パック)が、使用毎に排泄物を自動密閉するため、いわゆる水洗を不要としている。
また、環境に優しいこともポイントだ。一般的なキャンピングカーなどに使われるカセット式トイレでは、ブラックタンクと呼ばれる排泄物を溜めるタンクを使う。タンク内には、排泄物を溶かす化学溶剤などを使うことで、臭いなどを防ぐ仕組みとなっている。一方、クレサナは、排泄物を溜めるフィルムライナーを熱圧着で完全密閉することで、臭いやバクテリアの発生を防止。溶剤や薬剤は不要だ。
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