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キャンピングカー用品が地震などの災害現場へ 簡易トイレやポップアップルーフの活用に期待

東洋経済オンライン / 2024年3月26日 12時0分

しかも、走行中は折りたためるため、車両はノーマルとあまり変わらない全高となる。走行風などの抵抗も少ないため、安定した操縦性を確保する。採用例は増加傾向で、本格的キャンピングカーをはじめ、ミニバンや商用バン、軽ワゴンなどをベースとし、内外装をあまり変更しない車中泊仕様車など、多様なモデルへの装着が目立つ。

スカイデッキは、さまざまなタイプのポップアップルーフ装着車を手がけてきた同事業部が開発した。主な特徴は、カバー部などにメタル製を採用したことだ。従来、ポップアップルーフの素材には、同社製に限らず、多くのメーカーがFRP製を採用している。一方、メタル素材のスカイデッキは、重量がFRP製と比べ約50%軽くできるという。

また、FRP製はハンドメイドも多いが、メタル製ならプレス成形により大量生産が可能。納期を大幅に短縮できるほか、ミリ単位の高精度な加工もできることで、抜群のフィッティングも実現する。

ほかにもスカイデッキには、ボタンで操作できる電動開閉システムも装備。また、スマートフォンやタブレットを使い、車外から操作することも可能。従来のポップアップルーフにはあまり採用例のない、高い利便性も注目だ。なお、製品は、車種別対応となるが、対応車種と同じモデルであれば、コンプリートカーだけでなく、普通のクルマに後付けすることも可能なのだという。

アウトドア以外に災害も想定して開発

同事業部の担当者は、スカイデッキを開発した背景に、近年、「キャンプなどのレジャーだけでなく、被災時の避難方法としても車中泊が注目されている」ことを挙げる。そうした傾向からポップアップルーフ装着車も、キャンピングカー用の装備としてのみならず、災害時に役立つ装備としても人気が高まっているのだという。

こうした傾向は、例えば、能登半島地震の直後も、自家用車を一時避難所として活用した被災者がいたことでもわかる。大人数が集まる避難所よりも、クルマの中での一時避難を選んだ人も多かったようだ。しかも、これは、今回の震災時だけに限らない。近年増えている線状降水帯などによる水害や崖崩れといった災害時にも、そうした車中泊派の避難者も増えていることをよく耳にする。

そして、そのような非常時に、もしポップアップルーフ装着車があれば、「普通のクルマで車中泊するよりも、広くて快適なスペースで寝泊まり」できる。そうした背景もあり、同事業部は、より量産が可能で、多くの需要に対応できるスカイデッキを開発。しかも、メタル製は、前述のとおり、従来モデルより軽く作れる。重いものを持ち上げることが苦手な女性などでも、楽に開閉操作ができることもメリットだ。製品化が進んでいけば、より幅広い層がポップアップルーフ装着車を選べるようになることが予想できる。

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