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コンサル1年目が学ぶ「雲雨傘」の論理とは何か 「雲があって、雨が降りそう、だから傘を」

東洋経済オンライン / 2024年3月27日 15時0分

上司の言うことはもっともです。

ここで新人が怒られた理由、それは自分なりの解釈がなかったことです。雲雨傘の例でいうと、雲(データや観察事項に相当するもの)を単に提示しただけ。実に不親切です。

単にデータや記事を渡すだけではなく、そこから何が言えるのかをセットでもっていかなくては、意味のある報告にはなりません。

たとえば、あなたが医者にかかり、血液検査をしたとします。そして1週間後、検査の結果が告げられました。

アラニントランスアミナーゼ、ヘマトクリット値、GGT……、わけのわからない項目と数字を見ながら、医者はあなたにこう言います。

「はい、血液検査結果です。これを見て、どうぞ考えてください」

あなたは憤慨して、きっとこう言うに違いありません。

「え?わたしには解釈なんてできません。この数字を解釈するのが医師の仕事では? そして、悪いところがあるのなら、薬をください!」

まさに事実だけのレポートを提出する新人は、この医師と同じです。

病気なのか、健康なのか。何に注意したらいいのか。問題があったとして、それは重大なことなのか、些細なことなのか。

ほしいのは、「だから何なのか?」という解釈です。

そして、必要に応じて、薬を処方するといったアクションをとってもらいたい。

それを抜きにして、検査結果だけ渡されても患者は困惑するだけです。

ビジネスも同様です。解釈のないグラフをいくらたくさんつくっても、関係ありそうな記事をいくらたくさん集めても、だから何なのか?という解釈がないと、問題を解決するための役には立ちません。

事実(=雲)だけでは報告とはいえない。
「だから何なのか」という解釈もセットでもっていく。

Why So?が欠けている

失敗② 根拠を提示していない

次にやりがちなのは、アクションだけをもっていくことです。雲雨傘の例でいえば、「傘をもっていったほうがいい」というのがアクションに相当します。

単にアクションだけを提示されても、なぜそうなのか?ということがわかりません。

コンサルタント用語では、Why So?が欠けているといいます。

「なぜそうなるのか?」ということです。

何かを提案するときはアクションだけを提案してもダメです。必ず、元になる事実と解釈もセットで伝えなければいけません。

雲があって雨が降りそうだから(事実・解釈)
傘をもっていったほうがいい(アクション)

血糖値が基準値以上で、糖尿病の危険があるから(事実・解釈)
この薬を飲んだほうがいい(アクション)

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