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コンサル1年目が学ぶ「雲雨傘」の論理とは何か 「雲があって、雨が降りそう、だから傘を」

東洋経済オンライン / 2024年3月27日 15時0分

なお、アクションにはいくつかの選択肢があります。

雨が降りそうだという解釈に対するアクションは、実はひとつではありません。

レインコートをもっていくというアクションもありますし、用事をリスケジュールしてそもそも出かけないというアクションもあります。

糖尿病の治療にも、いろいろな選択肢があるはずです。それなのに、決め打ちでひとつのアクションだけを提示されても、「本当にそうなの?」「ほかにもあるんじゃないの?」と疑いをかけられてしまうのは避けられないでしょう。

提案をするときは、
「複数あるアクションからなぜそれを選んだのか」
もセットで伝える。

事実と意見をちゃんと区別

失敗③ 事実と、意見や解釈との混同

最後は、いったい何が事実で、何が解釈で、何がアクションなのか、混沌としたまま報告してしまうケースです。

たとえば、新聞記事で事例を見つけて、それを報告したとします。その際に突っ込まれるであろうことは、「これはあなたの意見なのか、それとも新聞社の意見なのか?」ということです。

特に、事実と意見をちゃんと区別して提示することは大事です。

たとえば「お客さんは低価格なものを求めていると思います」という意見。

これは、客観的な消費データに基づくものなのか、たぶんそうじゃないかというあなたの推測なのか、それとも最近の一般的なトレンドについて言っているのか等々、さっぱりわかりません。これでは、厳密な議論はできません。

事実と意見をきちんと区別して提示する。

見出しをつける

「事実」「わたしの解釈」「推奨アクション」
の3つの見出しをつける

事実、解釈、アクションをきちんと区別し、
「だから何?」「どうしてそうなるの?」への答えを明確にする。

これは、いわゆるロジカルシンキングの基本です。

そして、これは、コンサルティング会社だけで求められるスキルではありません。社会人なら、どんな仕事に就いていてもクリアすべき、基礎中の基礎のスキルです。

では、どうしたら、このスキルをすみやかに身につけることができるのか? いちばん簡単な方法は、見出しをつけることです。

何か文章を書くときに、

(事実)
(わたしの解釈)
(推奨アクション)

といった具合で見出しをつけることによって、頭の中がスッキリ構造化されます。

それをそのまま仕事相手に見せてもよいでしょう。相手にとっても、事実、解釈、アクションが区別できて、とてもわかりやすいはずです。

さらに、この見出しはチェックリストとしても機能します。

この3つが揃っていない提案には、説得力がありません。すぐに、「だから何?」「どうしてそうなるの?」と言われてしまうでしょう。

すべての文書は、3つの見出しについて、適切に中身が埋められていて筋が通っているかどうかをチェックしてから提出すべきです。

その提案の
・事実(雲)
・解釈(雨)
・アクション(傘)
は明確か?

大石 哲之:作家・コンサルタント

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