「ダメ出し受ける資料」「受けない資料」決定的な差 ダメな資料は「読ませる」「見せる」がブレている
東洋経済オンライン / 2024年3月27日 9時0分
・企業が決算発表などで公表する正式な資料(主に配布する資料)
・企業間で契約をする際に交わす契約書や覚書
・報告書や始末書など、細部まで正確に情報を伝達するための書類
一方で、②の「パッと、サクッと、見る資料」はそうはいきません。
ある情報を削ぎ落としたり、あるいは強調したり、色やグラフなどを活用し、見やすく、美しい資料にする必要が出てきます。つまり工夫が必要な資料なのです。例としては次のようなものがあります。
・採用活動で企業が使う概要説明資料
・経営層に向けて行うプレゼンテーション資料
・自社サービスの魅力を訴えるPR映像
ここで重要なのはこの2つをどう使い分けるかということです。その答えは、「読む」と「見る」という表現にあります。
読む資料とは、相手に読ませるためのものです。見る資料とは、相手に見せるために必要なものです。当たり前のことを述べているように感じるかもしれませんが、これがとても重要です。
ビジネス書を例にとってみましょう。たいていの書籍には目次があります。では、この目次は読ませるもの、あるいは見せるもの、どちらでしょうか。さらにその本の表紙(カバー)はいかがでしょうか。
「目次を読んで、買ってみようと思いました」「表紙を見て、買ってみようと思いました」といった表現が一般的であり、逆はあまり考えられません。
目次は読むもの。表紙は見るもの。書籍の製作者は、まさにこの2つの使い分けによって読者になるかもしれない誰かとコミュニケーションをし、興味を持っていただこうとしているのです。書籍を買うか買わないかはビジネスの成否そのものです。
このように、ビジネスコミュニケーションとは、「読む」ものと「見る」ものの2つを組み合わせて行う営みなのです。
状況に応じた資料の「使い分け方」
具体的なケースをいくつか挙げてみましょう。
ケース1:決算発表に向けて、上司と一緒に経営数字をチェックする
→「読む」ための資料が必要(①が必要)
ケース2:忙しそうにしている上司に1分程度で簡潔に説明する
→「見る」ための資料が必要(②が必要)
ケース3:取引先との重要な商談
→両方とも必要(①と②が必要)
決算発表に関係する内容の確認をサクッと見て終わるわけにはいきません。ちゃんと読み込むための資料が必要でしょう。
1分しか時間がない上司がじっくり資料を読めるはずがありません。要点が一瞬でわかるような「見る」ための資料が妥当です。
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