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朝ドラ「ブギウギ」最終回の前に早すぎる全体総括 「音楽朝ドラ」真骨頂に向けた趣里と伊原六花の功績

東洋経済オンライン / 2024年3月27日 8時30分

(画像:NHK『ブギウギ』ウェブサイトより)

朝ドラをことさら熱心に見た半年間だった。

【画像】『ブキウギ』をアワード形式で振り返る

「BK朝ドラ」(NHK大阪=JOBKが制作する朝ドラの意。原則的に10~3月放送)についていえば、最近では『スカーレット』(2019年)、『カムカムエヴリバディ』(2021年)も比較的熱心に見たのだが、『ブギウギ』は『スカーレット』の重み・深みと『カムカム』の派手さ・賑やかさをいいバランスで配合した感じがした。

ただ全体的に振り返って、とにかく図抜けていたのは、戦争で亡くした弟・六郎に捧げた『大空の弟』が生歌で切々と歌われた回だった(12月7日放送分)。あの15分は、まごうことなき大傑作、朝ドラ史に残る回になろう。

「音楽朝ドラ」としての真骨頂

しかし以降、個人的には正直、少々視聴テンションが下がってしまった。その大きな要因は、福来スズ子自身が戦争にがんじがらめになり、音楽活動がしにくくなることにあった。つまり、やはり『ブギウギ』は「音楽朝ドラ」というところに本質があったと思う。

そんな「音楽朝ドラ」としての真骨頂が『大空の弟』回だったと思うのだ。ただ先週金曜日(3月22日)に放送された「オールスター男女歌合戦」、『ヘイヘイブギー』の回は、「音楽朝ドラ」の真骨頂に向けて、再び一気に盛り返した印象を受けたのだが。

そう、『ブギウギ』の魅力の本質は「音楽朝ドラ」=「音楽」と「朝ドラ」のかみ合わせの良さの発見にあったと考える。

実際、早送りして、趣里の歌唱シーンだけ見ている人も多かったのではないか。ちなみに私は、ここまで完走し続けた上に、歌唱シーンがある回だけをHDDにダビングして保存、歌唱シーンが始まるところにチャプターを打ち込んで、何度も見ている。

また、その歌唱シーンがおしなべて素晴らしいので、何度見ても、まったく飽きさせないのだ。

趣里の歌は、いかにも鍛えられたプロ、というよりは、地声・地肩をぶんぶん震わせて歌っている感じで、これは、当時の音楽界において、笠置シヅ子が、音大(東洋音楽学校)出身の淡谷のり子とは違う「叩き上げ」だったことと通じる。

ここで少し細かい話になるが、先の『大空の弟』のところで「生歌」という表現を使った。あの『大空の弟』のシーンは、趣里が生で歌うのをそのまま収録したものだった。他にも、趣里が母(水川あさみ)の死を前に『恋はやさし野辺の花よ』を歌うシーン(11月23日)や、列車の中で『ふるさと』を歌うシーン(12月12日)などは趣里の生歌をそのまま収録していた。

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