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「縛られない働き方に憧れる」会社勤めの彼の盲点 キャリアを歩むうえで、一貫性があるかどうか

東洋経済オンライン / 2024年3月27日 10時0分

縛られない働き方に憧れる相談者。安井さんからのアドバイスとは(写真: mits / PIXTA)

→安井さんへのキャリア相談は、こちらまでお送りください。

現在中堅企業に勤務する、会社員の者です。会社勤めをしながらも、誰にも縛られない働き方に憧れています。最近では円安に伴い、海外では年収数千万円の寿司職人とか、長距離ドライバーで数千万円といった話もありますし、日本でも外国人バブルのニセコや熊本で時給3000円のバイトが多数あると聞くと、そういったチャンスを掴んで渡り歩けば、それなりにやっていけるのでは、と思ったりします。実際にインタビューを受けている人たちも楽しそうですし、陰険な都市部の会社勤めよりも、自由な気がしますが、やはりそういった考え方は危険なのでしょうか。

NT 会社員

2つの選択肢のどちらを選ぶか

自分の人生やキャリアに対する決定権・裁量を、どの程度自分で握っておきたいかによります。

周りの環境や意思決定に左右される部分が多い人生やキャリアを歩みたいのか、それとも完璧にではないにせよ、ある程度自分自身で方向性を決めることのできる人生がよいのか。

要は、どちらの選択肢を選ぶのかです。

NTさんは「誰にも縛られない働き方」と書かれていますが、頂戴した相談に書かれているような生き方は、周りの環境に縛られている働き方、とも言えます。

主体的に人生を生きたいとするNTさんの理想と、そういった選択肢は相容れないように見えてしまいます。

もちろんどちらを選ぶのか、といったことは、本人が決めるべきことです。どちらが優れているのか、といった議論はここではしません。

頂戴した相談にNTさんが列挙されているようなケースは、「現在は」あるのかもしれません。

問題はこの「現在は」という箇所です。要はそのようなチャンスがいつもあるわけではない、ということです。いつもあるわけではないですし、いつなくなるかわからない、ということでもあります。

頂戴した例は、人手不足、円安、巨額投資、といった外部環境に依るところが大きく、それらの外部要因が重なって、今の状況が作られているわけです。

もちろん過去からそうだったわけではありませんでしたし、また前述したとおり、いつ終わってもおかしくない状況なのです。

キャリアでは一貫性が重視される

不安定な状況を前提としつつ、それでも「渡り鳥的に」生きたい、というのであれば、もちろんそれは本人の選択ですから、そのような働き方もアリなのでしょう。

ただし、その時々にチャンスがあるかどうかがわからないことに加えて、一貫したスキルや経験も積みにくい、という側面はあります。

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