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都内にある「巨大無人駅」東武大師前駅の裏側 乗車2分、全長1kmの路線の終点は「改札機なし」

東洋経済オンライン / 2024年3月28日 6時30分

大きなドーム天井に覆われた東武大師線の大師前駅。ワンマン運転の2両編成の列車が往復する(記者撮影)

東武鉄道は東京、千葉、埼玉、栃木、群馬の1都4県に広大な路線網を広げている。浅草から延びる伊勢崎線と、その途中から分かれて日光・鬼怒川エリアへ向かう日光線は有料特急が走る。伊勢崎線の浅草・押上―東武動物公園間の路線愛称名が「東武スカイツリーライン」だ。

【写真多数】西新井駅所蔵の貴重な写真を一挙公開。かつての大師前駅や西新井駅、東武大師線の電車。現在、まず使われることがない大師前駅の窓口の裏側は?

また、池袋から北西に走る東武東上線と、大宮から春日部を経て船橋まで至る東武アーバンパークライン(野田線)も通勤通学の足として欠かせない主要路線だ。

無人駅にしては多い乗降人員

東武鉄道の旅客駅は全部で205駅。スカイツリーラインは竹ノ塚まで、東上線は成増までが東京都内に位置する。亀戸線(亀戸―曳舟間)などを含め、都内29駅のなかで唯一の無人駅が東武大師線の大師前駅だ。大師線は西新井と大師前を結ぶ1.0kmの単線で、スカイツリーラインとの接続駅である西新井を除くと駅は大師前の1駅のみ。ワンマン運転の2両編成の列車が10分間隔で健気に往復する。

大師前の乗降人員(2022年度1日平均)は1万1944人。有人駅の東上線の森林公園(1万1719人)や伊勢崎線の羽生(1万1399人)よりも多い。森林公園は10両編成の列車が発着、羽生は秩父鉄道との乗換駅で特急「りょうもう」の一部も停車する主要駅だ。そう考えると大師線とその“終着駅”、大師前はなかなかあなどれない存在と言える。

東武鉄道は1899年8月27日に北千住―久喜間の39.9kmで営業を開始した。西新井はこの開業時に誕生。駅名は西新井大師にちなんで付けられた。

西新井大師は、奈良県桜井市の長谷寺を総本山、文京区の護国寺を大本山とする真言宗豊山派の寺院で正式名称は「五智山遍照院總持寺」。その昔、弘法大師が村人のために祈願したところお堂の西側から水が湧いたことから西新井の地名になったという。

古くから女性の厄除け祈願所として知られ、いまも正月や弘法大師縁日の毎月21日などには多くの参拝客でにぎわう。門前では草団子が名物だ。日暮里駅から北へ延びる東京都交通局の新交通システム、日暮里・舎人ライナーには「西新井大師西駅」がある。

東上線との連絡線として計画

かつて西新井駅の構内には同社最大の電車修理工場や変電所などがあった。現在の大師線は1931年、西新井―大師前間が西板線の一部として開業。西板線は西新井と東上線の上板橋を結ぶ路線として計画されたが、土地買収が進まずに完成しなかったという。

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