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「これでいいのか」現場の警告を逃さない「声かけ」 情報を引き出す適切な言葉遣いを用意しておく

東洋経済オンライン / 2024年3月29日 9時30分

新技術を使った電気車両を製造するチームの若きエンジニアが、監督者の耳に届く大きさの声で、「この新しいバッテリーはどうなんだろう。実績値は期待したより低い」と言った。監督者はどのように中断を呼びかければいいか?

燃えさかるビルにホースを持って入った消防チームのひとりが、「この火災は何かおかしい。何が変かはわからないが」と叫んだ。チームリーダーはどのように中断を呼びかければいいか?

担当患者の様子を見てきた看護師が、看護師長に「あの患者さんの診断が正しいか気になるんです」と言った。看護師長はどのように中断を呼びかければいいか?

殺菌剤を製造する施設で、新たに1万ガロン(約3万8000リットル)ぶんの生産が開始されたとき、若手の製造ライン担当者が監督者に向かって「ここに並ぶバルブはいつもと違うものに見えるのですが」と言った。監督者はどのように中断を呼びかければいいか?

いずれのケースも、中断を呼びかけてみなの手をとめさせ、行動の赤ワークから脱するための言葉が必要とされている。その言葉が出れば、思考の青ワークに移行できる。

では、現場からの呼びかけに対応する答え方の例を紹介しよう。

◆「早すぎると感じているようだな。君の考えを聞かせてくれ」

◆「みんなを集めて決定事項をもう一度見直そう」

◆「サプライヤーを見直す必要があるかもしれないな。実績値を示す数字はどれだ?」

◆「ここで待機して様子を見よう。みんなはどう思う?」

◆「よくわからないって顔だね。何が気になったか教えてくれる?」

◆「何が引っかかるか教えてくれないか」

中断のタイミングを事前に決めるのも有効

ここで、中断の必要性に気づいて呼びかける責任が、チームのメンバーからリーダーに移っていることに気づかれただろうか。

では、リーダーが中断の必要性に気づかなかったときはどうなるだろうか? 

大丈夫。策はもうひとつある。

人は赤ワークに夢中になる傾向があるので、次の中断のタイミングを事前に決めておくことが予防策となる。

たとえば、「45分のタイマーをセットして休憩を忘れないようにする」という単純なことでもいいし、もっと正式に、プロジェクトを中断する日を2週間おきに設定してもいい。

戦略の再検討を年に一度行う、という具合に、頻度を抑えて中断の機会を組み込むのもひとつの手だ。

L デビッド マルケ:米海軍攻撃型原子力潜水艦「サンタフェ」元艦長

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